今日、世にも恐ろしいことを体験してしまった。

せっかくなので、読み物風に…

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時は夕方17時。
まだ日は高く、ジメジメとした天気が不気味な暑さを感じさせ、行き交う人の心を不愉快にさせていた。

私は私用で銀行に立ち寄り、そのまま店で使ういくつかの食材を仕入れに、たまにいくスーパーに足を運んだ。

いつものように決まったものを買い、珍しく週末の食事用にといつもは買わない業務用の高級食材を買うことにした。

代金を払い終え、自転車の前かごに食材を乗せた私は、後輪がパンクしていることに気がついた。
店までは、自転車で5分。
決して遠い距離ではないが、自転車を押して歩くには気がめいる距離だった。
しかし、パンクした自転車に乗るわけにも行かず、いっそう不機嫌な気分になりながら帰路を急いだ。

2~3分歩くと、突然、どうしようもない頭痛に襲われた。
朝からズキズキとかすかな痛みを感じていたが、気にするほどではなかった。
それが突然、痛みを増してきたのだった。
それでも、偏頭痛もちの私は、『いつものこと』と痛みに耐えながら歩き続けた。

頭はどんどん痛くなる。
いつもは持ち歩く頭痛薬を、今日に限って持っていないことを思い出した私は、途中のドラッグストアで薬を買うことにした。

いつもはドラッグストアの自動ドアの前に自転車を止めるのだが、パンクをしていたために、ほんの数メートル手前に止め、急いで薬を買った。

外に出ると、見知らぬ女性が、自転車の前かごを覗き込んでいた。
近づくと、女性はそ知らぬふりで立ち去った。
その怪しい行動に目をやりながら、自転車のハンドルに手をかけた途端、その女性が振り向き、そごい勢いで私のほうに歩いてきた。

「あなた、この自転車の持ち主?」
あまりの勢いに
「ええ…」
そう答えるのがやっとだった。

「あなたがいない間に、大変なことがあったの」
「え??」
私は何があったというより、その女性のあまりの早口に驚いていた。
女性は一気にまくし立てるように

">「私が横を通るとき、カラスが飛んできて、この荷物を食べてて、急いで追い払おうとしたんだけど、無理だったの~」

">「え~~~」

自転車の下を見ると、さっき私が買った食材のいくつかがぐちゃぐちゃになって落とされていた。
前かごを恐る恐る見ると、袋は破かれ、ほとんどすべての食材の箱や袋が破られ、荒らされていた。
無傷の食材はほとんどなかった。

愕然とする私に、女性が
「カラスには勝てなかった」
と力なく言った。

いやいや、あなたは悪くない。
すべてはカラスの仕業です。。。

こんなことって、あるんだ…。
いつも止めてるところから、ほんの数メートルしか離れてない。
今まで同じ状況で、少なくても百回以上、自転車を置いていた。
少しの距離なのに、そこはカラスからよく見えるところだったらしい。
最悪。最悪。最悪。。。

こんな日に限って、高い食材を買ってしまった。
なんてついていないのか。
悔やんでも悔やんでも、悔やみきれない、つらい日。

ついてなさ過ぎる!!

都会のカラスのバカヤロー!!