茶屋で一服 ~ 結願成就の、その先に ~

トーキョー銭湯
2009/08/06 10:10 | コメント(12) | トラックバック(0)
  • 村雲

廿世紀浴場の解体、相次ぐ廃業、希少なペンキ絵師の逝去
今年の春はいつにも増して、耳の痛い知らせの続く季節となりました。
 
異常な原油高に煽られ廃業の加速した昨年と比べれば
軒数の減少は鈍ったかに感じられますが、それでも厳しい状況には変わりありません。
西荻窪の玉の湯や、吉祥寺の鶴の湯
まだまだ健在のように思われた東京を代表する名銭湯が
相次いでその歴史に幕を下ろしたのは、記憶に新しいところです。
 
さらに、数少ない現役ペンキ絵師・早川利光氏の逝去。
早すぎる死は、大変な驚きと悲しみをもたらしました。
昭和の全盛期には数10人いたとされる絵師も、これで残るはわずかに2人。
我々日本人の心に深く根付いたあの富士山は、近い将来、完全に失われようとしています。
危機を叫ばれながらも"いつか"、"どこか"-
遠い世界で起こっているかのようだった銭湯文化の崩壊が、
"いま"、"すぐそこ"で起きている現実なのだ、と強く認識させられることになりました。
 
 
さて、長かった東京銭湯お遍路の旅も、あとわずかに八の札所を残すのみ。
銭湯はこのまま昔話になってしまうのか、あるいは何らかの形で残るのか。
八拾八ヶ所・結願成就の先に、きっと答えはあるでしょう。
その行く末を、私はこの目でしかと見届けなければなりません。
 
 
 
トーキョー銭湯雑学コラム ~ 茶屋で一服 ~ 

~ ペンキ絵の早川氏、逝去 ~ 
~ 東京で、八拾八ヵ所お遍路の旅 ~
~ 銭湯が消えていく ~
~ 大きなのっぽの古時計 ~
~ 番台とフロントとの違い ~
~ 銭湯に行ってみよう ~


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コメント

村雲様 こんばんは

そ~か、八十八カ所巡りなので、八十八回で終了なワケですね、、、。
残り八回、どこを廻られるのでしょう。
 今夕は、神楽坂の熱海湯さんへ向かった。一七時過ぎ、突然の雨で街も
あたふた、、。熱海湯さんは、まさにレトロ銭湯。カランは改修されてるようですね。ペンキ絵は平成19年6月、早川さんの絵。
この絵も、もう書き変わることはないのかもしれませんね。

                        千住のM_Hachiya

Posted by: M_Hachiya Date: 2009/08/09 18:44

>M_Hachiyaさん
 
>そ~か、八十八カ所巡りなので、八十八回で終了なワケですね、、、。
 
ええ、長かった旅ももうすぐ終わりです。
しかしその先に、必ず見えるものがあると信じています。
 
>今夕は、神楽坂の熱海湯さんへ向かった。
 
熱海湯へ行かれたのですね。
私が初めて訪れたのは、2008年の春だったでしょうか。
あの不思議な町並み、その中に熱海湯は違和感なく収まっていました。
坂と路地に挟まれ少々窮屈そうでしたが、その分ぎゅっと詰め込まれた
東京銭湯のエッセンス。
新宿区では数軒しかないペンキ絵、東京らしい熱いお湯。
そして早川氏の富士というのも、大変に貴重なのではないでしょうか。
 
友人を連れていくとすれば、東京でまっ先にお勧めしたい一軒です。

Posted by: 村雲 Date: 2009/08/12 23:20

あと8カ所で完“浴?”とは凄い!
そう言えば、小生、第1回目の遍路を終えたノートをまだ郵送していなかった…。
さて、小生、東京生まれのくせに、電機メーカに就職した頃に沸き上がった「不動産バブル」というヤツに辟易して、東京では死にたくない(地方に定住したい)!?と思い続けてきましたが、そんな小生を、今でも東京に引き止めているのは『東京風の銭湯』の魅力に他なりません。
年々無機質になり、最近では高層ビルで「空」が年々狭くなる東京ながら、銭湯とこれを囲む商店街や気の置けない赤提灯が並ぶ一角に入るとなぜか心が癒されます。地方に赴任した小生に「東京を懐かしく思わせた」のは、レトロな東京銭湯です。
「銭湯文化の崩壊」なんて考えたくもありませんが、これを憂う自分が、今や時代の流れに呑まれ消えゆく「老兵」になってしまったのかも?と思う昨今です。

Posted by: 昭和34年生まれ Date: 2009/08/13 01:10

>昭和34年生まれさん
 
>さて、小生、東京生まれのくせに、電機メーカに就職した頃に沸き上がった「不動産バブル」というヤツに辟易して、
 
昭和34年生まれさんの東京銭湯への魅力とは、そのような経緯でしたか。
2000年、高校を卒業したばかりの私は、関東北部の栃木県出身。
下手に近いだけに、東京への憧れというのは半端ではありませんでした。
私は静岡の大学への進学が決まりましたが、仲間たちの進学先は、ほとんどが東京圏。
華やかな都会生活の彼らを羨み、合格を手にしながらも、
一時はそのためだけに仮面浪人を考えたこともあったため、
大学4年時に東京への赴任が決まった際は、もう天にも昇る心地でした。
それだけに、憧れの大都会東京で銭湯とのノスタルジーと出会った際は、
まさに頭を殴られたカのごとき衝撃であったことを今でも覚えています。
 
しかしその銭湯も、もはや風前の灯といっても過言ではありません。
八拾八か所の札所まで、なんとしても辿り着きたいと思います。

Posted by: 村雲 Date: 2009/08/15 00:04

村雲さんこんにちわ。この頃、銭湯の楽しみ方が変ってきました。最初にお遍路ははじめた頃は、露天風呂。しかし露天風呂といっても、東京の銭湯ではどうやっても外の景色が楽しめることはないし、たとえ外を見られても、温泉地のような眺めは望むべくもなく。次にお湯自体を楽しむようになりました。これは今もそうですが、これに加えて、最近はペンキ絵を楽しむようになりました。今ごろかと言われそうですが、今まではあって当たり前と思っていたのですが、ビル銭湯が多くなり、タイル絵になっていたり、ただの白い壁になっていたりとペンキ絵が少なくなりました。最近行った葛飾のお風呂は、早川氏が昨年1月と3月に描いた絵がありました。今までは何気なく見ていたのですが、よく考えればそれはもう早川氏によって描きかえられることはないし、貴重な絵なのですね。心して見るようになりました。

Posted by: ロンリー Date: 2009/10/16 05:04

>ロンリーさん
 
>この頃、銭湯の楽しみ方が変ってきました。
 
左様ですか、私もお遍路巡りのうちに、いくつか好みが変わっていきました。
右も左もわからない頃はとにかく数をこなしていましたが、
徐々に地域性や造りの差がわかってきて、どんどん面白くなるのですよね。

>これに加えて、最近はペンキ絵を楽しむようになりました。
 
私も同じです。早川氏の逝去が、きっかけだったでしょうか。
それまでは「ペンキ絵があるなあ」くらいにしか思わず
どの方が描かれたのか、題材はどこなのかといったことには
あまり気を留めなかったのですが、どんな思いでその絵を描いたのか、
また年代による作風の変化など、いろいろなところに着目するようになりました。

葛飾区など東の方面に多い早川氏の作品ですが、もう亡くなってから半年。
確実に、ペンキ絵は他の絵師の方へと描き変わってきています。
それはそれで大変貴重な絵なのですが、早川氏の作品がもう見られなくなると思うと、
どうしても物悲しいものはありますね。

Posted by: 村雲 Date: 2009/10/17 00:27

村雲さん、こんにちわ。私、湯船につかりながらペンキ絵を見るようになりました。このペンキ絵を残すためにはどうすればいいのか、考えることが多くなりました。まあ、たくさんの人が銭湯を使えばいいのは分かっているのですが、そうなるためには何かいい方法はあるのか。内湯の増加での客数の減少、経営者の高齢化、世の中の不景気、どう見ても悪い要素ばかりです。でも、一部の銭湯は客数が多い。特殊な条件のところなのでしょうが、ジョギングコースが近くにある銭湯、営業時間が他と違っている銭湯、低料金のサウナがあったり、ロビーには軽い食事やお酒があったりしている銭湯、こうなるときっと銭湯は残ったとしても、ペンキ絵は残らないのでしょうけれど。銭湯組合の考えたこの銭湯お遍路という企画、やっていて楽しいのですが、様々な銭湯に行って、考えることが多くなりました。結局は常連さんをいかに多く持つかではないか、地域の人から愛される銭湯になるにはどうすべきか、常連さんを獲得するのに、お遍路というのは役にたっているのだろうか等等。私が考えたところで仕方のないことなんですが、特に湯船に一人でつかりながら、洗い場にも脱衣所にも人影が見えず、女湯からも何も聞こえてこない時など、リラックスはしているはずなのですが、非常に淋しく、色々考えてしまいます。長々とごめんくさい。べたでした。ごめんなさい。

Posted by: ロンリー Date: 2009/10/23 05:45

>ロンリーさん
 
こんばんは。
20度を切る肌寒い日でしたが、今日は西葛西の銭湯を2軒ほど巡ってきました。
このあたりの地区は、改装されていてもペンキ絵の残っている銭湯が多いですね。
今日の2軒が、そうでした。
1軒は中島氏、もう1軒は今年亡くなられた早川氏。
後者は描かれてからだいぶ時間が経っているため劣化も目立ちましたが、
その分ここ近年にはない画風など、貴重な絵に出会えた一日でした。
 
>このペンキ絵を残すためにはどうすればいいのか、考えることが多くなりました。
 
私も、それは思うところです。
単純には、入浴するお客さんが増えれば盛り返すことでしょう。
しかし内風呂の存在しなかった昭和期とは異なり、
現在ではあえてお金を払ってまで、外へ出るだけの積極的理由は見当たりません。
現に、流行っている銭湯の多くは薬湯や天然温泉、露天風呂ー
内風呂にはない魅力を備えたものであり、銭湯が絶頂を誇った昭和中期とは、
異なる理由で足を運んでいる場合がほとんどでしょう。
 
お遍路に関しては、個人的には大正解の企画であったと思っています。
参加者のほとんどはもともと銭湯巡りに興味のあった方々であり、
新規顧客の開拓には寄与できていないかもしれません。
それでも私の周りには、お遍路をきっかけに
銭湯へ通う回数が増えた方が、何名もいます。
 
しかしそれだけでは、銭湯の未来は立ち行かないでしょう。
利用者層を見れば、分かることです。
このままでは、斜陽の流れが止まることはないのかもしれません。
それでもその姿を記録し伝えることが、せめて私に課せられた使命ではないか―
そんな思いで、このコラムは続いています。

Posted by: 村雲 Date: 2009/10/24 22:11

西葛西の二軒ですか。一軒はバス通りからちょっと入ったところですね。地元ではないけれど、バスを乗り継ぎ、たまに行きます。若い夫婦と思われる方がフロントにいて、裏は薪がおいてあります。あととりがいるのは嬉しいことです。これからのこの銭湯の将来が明るいと思わせるのです。
風呂から出てすぐ脇に焼き鳥を売る店があり、酒もあるので、買って近くの公園で一杯やります。新しくスタンプを押すだけではなく、行った所の中からまた行きたいところに入りに行く。何回もリピーターとして入りに行く。これが銭湯組合が狙っていたことなのかもしれないと思いました。
ほんとうはこの欄に小岩の鷹の湯に行った時の事を書くつもりでした。ペンキ絵では珍しく動物の絵が書かれていると言うあの銭湯です。私は男なので、男湯に入りました。当たり前ですが…。
動物がありません。そうです、女湯にあったのですね。端の方にあるコアラは見えましたが。
この他にも何軒か再度行きたいところはありますし、これから行きたい所もあります。
スーパー銭湯は客が多いのですから、お湯につかってリラックスしたい人は多いのです、いかにその人たちを銭湯に行ってもらうか。難しいのですねえ。
お遍路マップの前にも銭湯組合は大判の銭湯地図を出していましたが、それの時は私もあっちこっちの銭湯に入りに行こうとは思いませんでした。そういう面ではお遍路は企画として、少し成功だったのでしょうが。
でも何といっても常連さんに支えられているのですから、地域の人が入ってくれなければならない。どうすればいいんでしょうねえ。

Posted by: ロンリー Date: 2009/10/25 15:39

>ロンリーさん
 
>西葛西の二軒ですか。一軒はバス通りからちょっと入ったところですね。
 
おっしゃる通り、まさにそこです。
当初は行き過ぎ、ひとつ前の交差点から"コ"の字状に逆戻りしていきました。
改装されながらも江戸川区らしく、かの早川氏のペンキ絵。
4年以上が経つため劣化は目立ちましたが、全体的に色みは薄く感じられ、
絵師の方の好みの変化を感じ取れる作品でした。
小雨どころか大粒の雨となり、傘を持っていなかった私は、
体を拭いたばかりのタオルを頭にかけ、最寄りのバス停へ急ぎました。
それでもお隣の焼鳥屋さんからは、元気のよい煙が立ち上っていましたね。
 
小岩の鷹の湯は、私も大変驚きました。
古き良きニッポンの風景を描いた男湯とは対照的に、
突然かわいらしい動物たちが壁向こうから顔を出すではありませんか。
聞けば、お母さんと一緒に入ることの多い子供たちのために描いたものなのだそうです。
平成も20年を数えた現代にあっても、伝統は受け継がれていたのですね。
 
早川氏の動物といえば、もう一軒、私の知っている銭湯があります。
江戸川区25番・鶴の湯です。
例によって女湯側ゆえに見ることは難しいでしょうが、左右に広い鶴の湯。
端へ行けば、かろうじてイルカの尻尾が見えることでしょう。
氏が亡くなられた今、本当に貴重な作品です。
ぜひ、足を運んでみてください。

Posted by: 村雲 Date: 2009/10/25 21:55

村雲さん、こんにちわ。江戸川25の鶴の湯、同じ区内なのですがまだ行けていません。知人からも、ここはいいと言われているのですが。近いうちに行ってみます。

Posted by: ロンリー Date: 2009/11/01 05:35

>ロンリーさん
 
レトロな佇まいもさながら、あの広さの露天風呂は
都内でもなかなかお目にかかれないと思います。
お客さんもたくさん入っていました。
ぜひ、足を運んでみてくださいね。
 

Posted by: 村雲 Date: 2009/11/03 22:09










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