茶屋で一服 ~ ペンキ絵の早川氏、逝去 ~

トーキョー銭湯
2009/05/07 10:10 | コメント(4) | トラックバック(0)
  • 村雲

桜も散り終わった4月某日の朝、寝ぼけ眼に衝撃的な知らせが飛び込んできました。
銭湯のペンキ絵師、早川利光氏が亡くなったというのです。
 
 
銭湯と聞いてまず思い出されるのは、雄大な富士山ではないでしょうか。
ペンキ絵師とは、それを専門に描く職人を指します。
2009年時点で全国でもわずか3名というとても貴重な存在、その1人が早川氏でした。
躍動感溢れる波しぶき、青々とした濃い富士山の構図がとても印象的。
かと思えば、古き良き風景とはミスマッチな動物たちを突然描き込んだりと、
独特の遊び心も併せ持った方でした。
多くの感動を届けてくださった故人へ、まずは心から追悼の意を表したいと思います。
 
今回の訃報に改めて、日本の銭湯文化が急速に失われているのだと実感しました。
物事って危ない危ないと言われていても、どこか他人事でしかないと思うんです。
事が起こってみて、自分の身に降りかかってみて初めて、
取り返しのつかなくなった現実に気がつくと思うんです。
 ご高齢とは知りながらも、いつまでもあの富士山を眺めていられるような気がしていた- 
そんなのんきな自分の姿に、改めて気付かされる出来事でした。
 
 
幸いペンキ絵は浴室の湿気にも耐えうるようにできているので、
今すぐに早川氏の作品が見られなくなるということはありません。
しかしいかに丈夫といっても時間の経過とともに劣化し剥げてきてしまうので、
数年経てば新たに描き換えられることでしょう。
それでなくても、廃業の相次ぐこの時代。
遠からず、早川氏のペンキ絵が失われることは確実になりました。
88か所の巡礼を目指して出発した、東京銭湯お遍路の旅。
しかしその大願成就も、もはや一刻を争う事態になってきたのかもしれません。
 
 
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トーキョー銭湯雑学コラム ~ 茶屋で一服 ~ 
 
~ 東京で、八拾八ヵ所お遍路の旅 ~
~ 銭湯が消えていく ~
~ 大きなのっぽの古時計 ~
~ 番台とフロントとの違い ~
~ 銭湯に行ってみよう ~


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コメント

銭湯ペンキ絵職人の早川さんがお亡くなりになったとのこと、
なんともショッキングな出来事です。
銭湯の絵にカバとかキリンが描かれていたのは知りませんでした。
なかなか遊び心が溢れてるんですね~。

ペンキ絵を描く方も今のところ2人ということで、
寂しいというか銭湯の危機を感じますね。

数年前に浅草の花やしきの裏にすっごいボロい銭湯があって、
あまりの渋い佇まいに思わず入ってしまったのですが、
この間行ってみたら無くなってました…。


Posted by: アユミ Date: 2009/05/11 20:06

>アユミさん
 
10年程前まではペンキ絵師は5,6人いらっしゃったようですが、
銭湯の減少を追うようにして、その数も減ってしまいました。
現存する絵師も、最も若い方ですら60代です。
仮に、あと10年経ったとしたら-
想像すらしたくない現実が、目の前に突きつけられています。 
 
 
>数年前に浅草の花やしきの裏にすっごいボロい銭湯があって、
 
浅草は訪れる頻度の高い場所のひとつでして、噂に聞いたことがあります。
ほんとに、すぐの裏手にあったようですね。
本格的に銭湯を巡り初めてまだいくらも経っていないのですが、
あと5年、いや3年早く始めていれば、と悔やまれることばかりです。

Posted by: 村雲 Date: 2009/05/12 22:17

昨日吉祥寺のよろづ湯に行きましたところ、ペンキ絵が変わっていました。今までは早川さんの絵だったのにタッチが違うので、番台のおばちゃんに聞くと、昨年なくなられたとのこと。おばちゃんが言うのには、早川さんは「こんなふうに描いて」と言えばその希望通りでかいてくれたそうです。私は銭湯お遍路88達成してますが、早川さんの絵が一番だと思っています。もう新しい絵が見られにのは本当に残念です。

Posted by: 細井忠邦 Date: 2010/01/07 22:53

>細井さん
 
吉祥寺のよろず湯ですね。
駅北の鶴の湯が私の銭湯巡りでちょうど100軒目、
そしてその足で向かったのがよろづ湯でしたので、よく覚えております。
途中、商店街の有名店でコロッケを買いました。
よろづ湯の中で食べようと思っていたのですが、
外観の撮影中にふと置いたのを忘れ、思い出したのは家に着いてからでした。
 
>今までは早川さんの絵だったのにタッチが違うので、番台のおばちゃんに聞くと、昨年なくなられたとのこと。
 
墨田区にお住まいだった早川氏、江戸川区や葛飾区など東部の銭湯に
氏の作品は多いのですが、なぜか遠方の武蔵野市の銭湯は、
早川氏の作品ばかりでした。
銭湯巡りを始めて間もないころ、私はまだ絵師が複数存在することも知らず、
「最近は、こんな力強い絵も描くようになったのか」との思いで、
早川氏の富士山を眺めていた覚えがあります。
 
もう、早川氏の新しい富士山を眺めることはできません。
しかし都の東部を中心に、まだまだ奇麗な状態で残っている絵はたくさんあります。
私も機会を見つけ、さらに巡ってみたいと思っています。

Posted by: 村雲 Date: 2010/01/09 23:30










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