『プライド』―銀座で火花を散らすディーヴァたち。

トーキョー映画
2009/02/04 23:13 | コメント(8) | トラックバック(2)
  • 香ん乃

 女の意地、女の嫉妬、そして、女の気位 ― これらが揃ったら、どろどろしないわけがない。......おもしろくないわけもない。

 有名ソプラノ歌手の娘で、生粋のお嬢さまとして育った史緒(ステファニー)は、名門音楽大学の声楽科に在籍しており、留学も控えている。しかし、父親(ジョン・カビラ)の経営していた会社が倒産したことにより、ほぼ無一文になってしまい、留学の話もなくなった。恩師(由紀さおり)の勧めで声楽コンクールに出場した史緒は、彼女をライヴァル視している萌(満島ひかり)の挑発に負けて、優勝を逃してしまう。萌は史緒と対照的な人生を歩んできた。呑んだくれの母親(キムラ緑子)に悩まされ続けて貧乏生活を余儀なくされ、なけなしの金を工面してかよっている音大は3流。自身のプライドをなによりも大切にしている史緒と、声楽家になる夢を叶えるためにはプライドをかなぐり捨てる萌 ― ふたりの永きに渡る闘いが、今、幕をあけた。

 原作は、女性向け漫画の帝王・一条ゆかりの手になる。オペラ歌手を目指す女たち+αの物語である。氏の漫画家生活40周年を記念して作られた映画が、この『プライド』だ。

 史緒と萌は、銀座の『プリマドンナ』というクラブで働くことになる。史緒はクラブ・シンガーとして、萌はホステスとして。しかし、あるとき、史緒の代わりに萌が歌ったことで、ふたりはこの店でも、互いの喉を競いあうことになる。それは単なる競争にとどまらず、「競演」という形へ変化していき、ふたりは憎みあいながらも、互いの才能と状況に羨望をいだいて、ある意味、「惹かれあってもいく」のだ。

 原作漫画のファンなので、オリジナルを追う気持ちで、今回の映画版も観た。原作の第1部が、この映画のストーリィになっている。

 一条ゆかりの物語になくてはならない恋愛ドラマは、この映画『プライド』にも当然あるのだけれど、今作の特徴であり最大の魅力は、「敵対しあうふたりの女が、互いの存在を認めあっていく過程」にある。

 だからといって、それは、レズビアン的な恋愛感情ではなく、また、認めあっていくからといって、「わかりあっていく」というわけでもない。

「女の最たる敵は女。女が最も意識するのも、男ではなく、実は女」 ― 女だからこそ、わかっていても納得したくない真実が、この物語の一番の核だ。

 萌を演じた満島ひかりの、凄みと目力に圧倒される。「捨て身」という言葉を即座に連想させる女優だ。現在、公開中の映画『愛のむきだし』でも、凄絶な演技を見せて注目を集めている彼女。これから日本映画を観続けていく上で、忘れてはならない若手女優のひとりであることに間違いない。

 原作の『プライド』では、史緒がオーストリアへ、萌がイタリアへ、それぞれ声楽家として留学をしてから、更に目の離せない物語が展開する。ファンとしては、同じキャストで続編映画が作られたら嬉しいのに、と願ってやまないが、それは、きっと叶わないのだろう。

『プライド』(2008年)
2008年・日本・126分
監督:金子修介
出演:ステファニー 満島ひかり 及川光博 高島礼子 渡辺大 他
※2009年2月上旬現在、〔シアターN渋谷〕〔丸の内TOEI2〕〔ユナイテッドシネマ豊洲〕〔立川シネマシティ〕他にて上映中。


プライド@映画生活
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コメント

今回のキャストでドラマ化されたら、見るかと・・・・
無理でしょうね。

原作読んでいる人には意見が分かれているみたいです。

Posted by: Date: 2009/02/14 00:52

〔谷さんへ〕

 こんばんは。コメントとトラバ、どうもありがとうございました。

 ダイジェスト的な内容でしたし、映画としては映像的にライトな部分もあったので、テレビ・ドラマのほうがふさわしい感じはします。でも、おっしゃる通り、実現しないでしょうね。

 ちょうど昨日、『愛のむきだし』を観て、今、満島ひかりさんが自分の中で大ヒットです。ものすごい表情を作れる女優さんですねぇ……。今後、いろんな出演作・いろんな役柄で観たい女優さんです。

Posted by: 香ん乃 Date: 2009/02/14 01:39

歌もすごいと思ったら葺き替えというのを見て
ちょっとがっかりしているところです。
オペラ以外はちゃんと歌っているのでしょうか?

愛のむきだしを見てきましたか!
でも個人的にはプライドの方が衝撃でした。
あとでデスノートを見直してみようかと思います。

Posted by: Date: 2009/02/15 02:25

〔谷さんへ〕

 こんばんは! コメント、ありがとうございます。

 そうなんですよー。オペラ部分は吹き替えなんですよね。でも、ひかりさんが演じた萌の歌った『夜の女王のアリア』が大好きなので、映画でも使われていて嬉しかったです。

>オペラ以外はちゃんと歌っているのでしょうか?

 映画で使われた曲のCDやサントラにおふたりのお名前があるので、あちらは彼女たちが歌っているんだと思います。

 ステファニーさんはもともと歌手のようですが、ひかりさんも歌がお上手ですよね。

 谷さんのブログで、ひかりさんが『デスノート』にも出演していたと知りました。私も機会があったら、彼女に注目して、あの作品を観たいと思っています。

Posted by: 香ん乃 Date: 2009/02/15 02:30

http://tv.oricon.co.jp/interview/090114_04.html
インタビュー見つけたので貼っていきます。
愛のむきだしも少し出てきています。

インタビューは普通の顔ですね。
当たり前か。

Posted by: Date: 2009/02/16 00:16

〔谷さんへ〕

 こんばんは! コメントとインタビューへのリンク、どうもありがとうございます。

 早速、拝見してきました。確かに、普通の顔(笑)。でも、やっぱりお綺麗ですねぇ~。

 ひかりさんのことがすっかり気になってしまって、彼女のオフィシャル・ブログも早速ブックマークしました。

 ご存知かとは思いますが、こちらです。

http://humanite.co.jp/mitsushima/

 彼女の更なるご活躍が、本当に楽しみです。

Posted by: 香ん乃 Date: 2009/02/16 02:13

http://www.chick.co.jp/roppongi/
撮影舞台はここらしい。
さすがは2ちゃんねる・・・

Posted by: Date: 2009/03/09 03:24

〔谷さんへ〕

 こんにちは! 情報ありがとうございます!

 早速、アクセスしました♪

 私が行ける機会はなさそうなお店ですが、あの界隈を歩いた際には、外観だけでも拝んでこようと思います。

Posted by: 香ん乃 Date: 2009/03/09 08:06










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