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| 2008/10/20 10:10 | コメント(0) | トラックバック(4) |
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こういうノスタルジックなファンタジーに、「夢? それとも、現実?」だなんて訊ねるのは、野暮。
癌で余命わずかと宣告された父親の昭彦(國村隼)に呼び出されて、彼の病室を訪ねた息子の聡史(塚本高史)。古びたスケッチブックを取り出した昭彦は、そこに描かれている女を探してほしい、と聡史に頼む。その女の名前は、真山澪(原田夏希)。冷酷な実業家として成功した昭彦に、反感をいだいていた聡史は、釈然としない思いで病室を飛び出した。あるとき、街角でスケッチブックをひらいた聡史を、不思議な感覚が襲う。次の瞬間、東京都文京区の本郷にある小さなアパートに、彼はいた。そこでは、若かりし頃の昭彦(和田聰宏)と澪がキスをしていて......。
タイム・トリップ・ストーリィの映画『イエスタデイズ』。本多孝好の『FINE DAYS』に収録されている短編小説が原作である。
現在の父親への誤解やわだかまりを、過去の父と友情を育むことによって、少しずつ解いていく聡史。卑怯で冷たい実業家だと思っていた父は、画家志望の血気盛んな若者だった。その恋人の澪は、音楽大学に通うピアニストのたまご。夢を追い続けるふたりの恋は、まっすぐで、熱くて、聡史の目に、美しくも鮮烈に映った。
「瞳」で語れる役者たちが揃っている。聡史役・塚本高史の、葛藤に曇る瞳。後悔を消化かつ昇華させて現実と向き合う、おとなの昭彦役・國村隼の瞳。真っ正直な情熱を隠さない、若き日の昭彦役・和田聰宏の瞳。そして、海のように寛いのに、揺るぎない芯の強さをかもす、澪役・原田夏希の瞳。
「眼力がある」とは、必ずしも、鋭く強烈な眼差しだけにあてはまる表現ではない ― この映画に出演している役者たちの目を見ると、そう実感しないではいられなくなる。ファンタジックな設定なのにリアリティがあって、感傷的なストーリィなのに甘ったるくならなかったのは、出演者たちの「饒舌で説得力のある目の演技」によるところが大きい。
『イエスタデイズ』
2008年・日本・119分
監督:窪田崇
出演:塚本高史 國村隼 原田夏希 和田聰宏 風吹ジュン カンニング竹山 他
※2008年11月1日(土)より、〔シネマート新宿〕他にてロードショー。
イエスタデイズ@映画生活
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