関西で暮らしており、たまの更新も関西の喫茶店ばかりになっていましたが、このたびまたトーキョーに帰ることになりました。

職場が大阪だったので、大阪の思い出が多いのですが、京都や神戸なども含め、関西は素敵な土地でした。結果的に2年という「長い旅行」というくらいの滞在になってしまったけど、街のざっくばらんな包容力、人のつながりに受け入れられ、楽しく過ごすことができました。
正直離れたくない、という気持ちがあるけれど、西でのたくさんの出会いはこれからも続いてゆくだろうし、トーキョーに帰ったら以前とは違う視点で東京歩きも楽しめるのではないかと思います。大好きな喫茶店との再会や新しい出会いも楽しみです。

というわけで、関西で訪れた喫茶店&カフェを一気にダイジェスト。
日記のような記録ですが、よろしければお付き合いください。

-----------------------

cafe Anamune-心斎橋

壁からエレベーターまでグラフィティやステッカーでビッシリの「いかにもアメ村」な雑居ビルの5階にある「cafe Anamune」は、「病院」をテーマにしたカフェ。

あちこちにディスプレイされた医療器具、季節ごとに装いを変える看板人体模型の「ジョニー君」、ビーカー入りの冷たい飲み物。店内は貸しギャラリーにもなっていて、病院をテーマにした展示なども行われている。(大阪を離れるけど、私も来年10月の展示に参加させていただく予定。)
白衣のような白いエプロンを着た小さな女の子オーナーが切り盛りしている。いつも忙しくしてるけど、必ずお客さんと話をしに来る、彼女との会話も楽しい。

アメ村に行くと必ず訪れるカフェだった。

anamune05

anamune03

anamune02

anamune06

anamune01

cafe Anamune
大阪市中央区西心斎橋1-8-16 中西ビル501号室
06-6244-4446
12:00~22:00(L.O.21:30)
無休
http://www.anamune.com

-----------------------

D&DEPARTMENT DINING OSAKA-堀江

東京・九品仏の環八沿いに「D&DEPARTMENT DINING」というカフェがある。
新旧に拘らず、グッドデザインの家具やグッズを扱うセレクトショップ「D&DEPARTMENT」に併設されているお店だ。よく通った。
ある日「大阪店」の店長さんに会った。「大阪のお店は川沿いにあってね、春になると川沿いの桜が舞って綺麗なんですよ」と(たぶん大阪弁で)言っていたのをなぜかずっと覚えていた。

そして縁あって大阪が生活の場所となり、「D&DEPARTMENT DINING OSAKA」によく訪れるようになった。
堀江という、心斎橋の雑踏から少し離れた閑静な場所にある。東京よりは混雑していないけれど、心斎橋付近でゆったり過ごす場所を探すのは難しい。窓の景色を眺めながら、「D&DEPARTMENT PROJECT」が発行する冊子「d design」を読みながら、ここはゆったりと過ごせる場所。
寒い日に訪れたから、ブランケットを貰って、石油ストーブを寄せてもらって、上品なラテアートが描かれたホット・カフェモカを飲みながら。

D&DOSAKA01

D&DOSAKA02

D&DOSAKA03

D&DEPARTMENT DINING OSAKA
大阪市西区南堀江2-9-14
06-4391-2090
11:30~24:00
水休
-----------------------

珈琲館 篝-野田

大阪でも喫茶店好きを周囲に言いふらしていたら、友人から「仏像純喫茶があるよ」と教えられた。
仏像純喫茶??なんとなく大阪っぽい、ぶっ飛んだ組み合わせ。朝早く家を出て、仕事の前にその喫茶店を訪れてみることにした。

訪れたのはひどく寒い冬の朝。野田阪神駅近くの商店街を薄く雪が積もる暗がりの中を歩いていくと、入口に大きな仏像と古いコーヒーミルのあるお店を発見。他のお店はまだ閉まっているので異様な存在感。
店内にも大きな仏像がたくさん。でもその他はいたって普通の町の喫茶店。丸い石油ストーブで暖をとりながらホットコーヒーをすする。

「喫茶去」という言葉があって、これは仏教語(禅語)で「お茶でも飲んで、去れ」という喝(かつ)なのだそうだ。だから喫茶と仏教は縁が深い、というのは強引かもしれないが、なんというか、コーヒーと仏像のコラボレーションは思ったよりも自然だった。

篝04

篝03

篝02

篝01

珈琲館 篝
大阪市福島区吉野2-8-36
06-6443-4264
6:00~18:30
不定休

-----------------------

Doll Dress-中崎町

2年間過ごした大阪で思い出深い場所のひとつが、中崎町。
大阪梅田から歩いていける下町で、高架下や路地に個性的なお店やカフェが多い場所。夏には中崎町にあるギャラリーで個展も行わせてもらった。

「Doll Dress」はJRの高架下にあるベルギービールのバルだが、お店のお姉さんと親しい友人の紹介で通うようになり、夕方の時間に行ってはカフェラテを飲んだり、お腹がすいているときはメニューにないグリーンサラダを出してもらったりした。
ロリータ服やゴシック系の書籍を販売していたり、2階はレンタルスペースになっており、様々なイベントが開催されている。実は私もロリータ服やラバー・コスチュームを着てパーティに参加したことがある。

夕方のゆるりとした時間の中、ジャズがかかる店内、ひっきりなしに通る電車の音。カフェラテを頼むといつもお姉さんが何かオマケしてくれる。みかんとか、USJのお菓子とか。この日は誰かのお土産のオレンジピールのチョコレート。おいしかった。

doll03

doll02

doll01

Doll Dress
大阪市北区山崎町4-24 JR高架下52-53
06-4802-0155
12:00~24:00
木休

-----------------------

昭和カフェサロン彩珈楼-中崎町

もう一軒、中崎町でよく訪れた喫茶店が、「彩珈楼」。

ママこだわりの水出しコーヒーが美味しい喫茶店である。カウンターや棚にびっしりと並ぶ水出し用のビーカーが圧巻。水出しコーヒーを味わうときはつい寒い時期でもアイスコーヒーを注文してしまうが、紅茶も美味しいし、日替わりカレーも美味しい。

遊郭をイメージしたという真っ赤な内装はうらぶれた雰囲気。ギャラリーが併設されており、写真展を中心とした作品展が催されている。お店のチーフがカメラや被写体を嗜む人なので、カメラマンや被写体の方々が集う場所にもなっていて、ちょっとしたサロンのよう。

「あそこにいけば誰かに会える」というようなお店は、たとえ誰にも会えなくても、たまにふらっと訪れたくなる。

彩珈楼03

彩珈楼02

彩珈楼01

昭和カフェサロン彩珈楼
大阪市北区中崎西1-6-36 サクラビル117号室
06-6374-0117
11:30~24:00(ギャラリーは~19:00)
火休

-----------------------

純喫茶アメリカン-難波

2年間過ごした大阪で思い出深い場所のもうひとつが、なんば。

なんばといえば、ザ・大阪、というイメージだった。道頓堀、吉本、グランド花月、たこ焼きにお好み焼き。だけど一番縁があったのがこのなんばだった。
千日前という界隈に「大阪のゴールデン街」とも言われる「味園ビル」というビルがある。心斎橋の「三ツ寺会館ビル」と並んで、関西の「サブカルチャー・アンダーグラウンドカルチャー」に関わる人たちが集まるこの味園ビルに縁があり、飲みに行くのはたいていここで、人のつながりもここでできたし、イベントも何度か行った。

「純喫茶アメリカン」は、東京から遊びに来た、「パフェが好き」という角度から喫茶店に詳しい男子に案内してもらった。
道頓堀の商店街の中にある、それはそれはザ・喫茶店。創業の昭和21年から変わらない内装で、巨大なシャンデリアや派手な絨毯が豪華な空間。入口のショーケースに並ぶサンプルも見事。パフェ男子のチョイスだけあって、なるほどパフェも豊富。実際に注文して出てきたパフェも見事なまでに「ザ・パフェ」だった。

なんば界隈は、とにかくお店にパワーがある。もちろんいろいろ大変だろうし、チェーン店も増えてきているのだと思うけど、大阪の「商売」をリアルに感じることのできる場所だった。昔からのものが、懐かしいのではなくそのまま現在に在る。

大阪の商売といえば、「物買うときは値切らなあかんで!」って言われたけど、私は関西にいるうちに、「値切り」を、ついに一度もする勇気が出なかったな。

american03

american02

american01

純喫茶アメリカン
大阪市中央区道頓堀1-7-4 アメリカンビル
06-6211-2100
09:00~23:00(L.O.22:45)
火~22:30(L.O.22:15)祝・祝前は除く
不定休