とある日曜日の昼下がり、代官山に出来たばかりの
蔦屋書店を偵察しに行った。

私はテレビを持っていないので、ラジオから情報を得ている。
連日のように、「代官山の蔦屋書店がものすごい」ことを耳にして
実際はどんなものなのか、スウェーデン人のパートナーと見に行くことにした。

TSUTAYAのトレードマークである「T」の字を組み合わせた
デコボコの白い壁と大きなガラス窓の建物がドンと現れた。
耳から仕入れた情報が、水晶体を通して形になってゆく。

3棟に分かれた建物の1Fは全てが本の販売。
2Fに音楽・映画のレンタルコーナーと
落ち着いた雰囲気のラウンジがある。
日曜日ということもあり、店内はかなり混みあっていた。

ここで私のアンテナにひっかかったものは、「旅」コーナーだった。
行き先ごとにカテゴライズされた棚には、ガイドブックだけでなく
その地にまつわる小説や映画のDVD、写真集や洋書もひと塊りに置いてある。

ついつい北欧系の棚へ引き寄せられてしまい、手に取った本が
片桐はいりさんの『わたしのマトカ』というエッセイ。
『かもめ食堂』のロケ地であるフィンランドの事を綴っているが、
食べ物に関しては、スウェーデンと似ていて頷きながら読んだ。
「サルミアッキ」という真っ黒いお菓子の描写が的を得ていて笑ってしまう。

旅の本を眺めていると、そのまま旅に出たくなってしまう。
そんな衝動を起こす人が少なくないのだろう。
「旅」コーナーの隣には「旅行予約デスク」があり、
トラベルコンシェルジュが「私だけの旅」を提案してくれるそうだ。

コーヒーを飲みながら、ゆっくりと欲しい本を選べる本屋は
「スウェーデンでは考えられない」とパートナーも面白がっていた。
他の国には、こういう本屋があるのだろうか?
それにしても、色々な妄想を掻き立ててくれる蔦屋書店、
外国の友達にも案内したい場所だ。

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DAIKANYAMA T-SITE
代官山 蔦屋書店

住所:東京都渋谷区猿楽町17-5
TEL:03-3770-2525

営業時間(年中無休)
1F 朝7:00~深夜2:00

2F 朝9:00~深夜2:00
http://tsite.jp/daikanyama/
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