夏のはじまりに、トーキョーワッショイの仲間でフリーカメラマンのユウジさんと、東京の喫茶店をはしごしながら散歩をして、写真を撮る、ということをした。

お互いの得意分野(彼はプロ、私はただの喫茶店好きだけど)を発揮しつつ、相手の持つ知らない世界を垣間見ることができて楽しい散歩だった。
そんな散歩話はまた今度するかしないか分からないけど、谷中にある喫茶店「カヤバ珈琲」を訪れたことをとりあえず書く。

カヤバ珈琲、建物は大正5年築の木造2階建ての町家で、お店の創業は昭和13年という老舗。
店主が平成18年に亡くなったため、一旦は閉店した。訪れようと思っていた矢先だったので、タイミングを逃してしまったことを悔やんだことを覚えている。
しかし有志の手によって平成21年に復活。素敵な物語のある喫茶店である。やっと訪れることができた。

言問通り、上野桜木交差点の角にあるお店の外観は、かつてのお店と全く変わらない佇まい。
お店を真ん中にしてカメラのモニターをのぞくと、タイムスリップしたような雰囲気。
しかし中に入ってびっくり。シンプルモダンなテーブルやカウンターが置かれ、奥の壁は照明が組み込まれた「光の壁」になっていた。
まさに「思い出」と「現在」が共存した空間。「現在」に身を置きながら、かつてのお店の雰囲気に耳をすます。

私の持っているデジカメは古いし、構図もダメダメだから、加工して誤魔化す。
「現在」に、遠い遠い「思い出」のフィルターをかけてみる。

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カヤバ珈琲
台東区谷中6丁目1-29
03-3823-3545
日月8:00〜18:00
火水木〜24:00
金土〜26:00
無休
http://kayaba-coffee.com