いつか泊まりたいと思っているうち、営業を終了してしまいました。
4月の始めに近くを通った時、見上げたグランドプリンス赤坂は真っ暗で、
今の世相を表すようでとても寂しく、怖く思いました。

この一ヶ月、被災していない人も神経をすり減らし、
まるでこの世の終わりのようなニュースに心を奪われて
暮らしてきたと思います。

私もそうでした。いえ、今もそれは続いています。
凄惨な被災地の状況に加えて、原発の事故。
誰の言うことを信じていいのかわからない日々。
今までよく平気で暮らしてきたなと思うような、
政治と報道の体たらく。
「自粛」も「つながる」も「一つになろう」も、
決して他人に強制されたくないのに、大声で合唱されて
うんざりでした。
そして今までの自分自身にも疑問を投げかけました。
何も知ろうとしなかったからこんな目に合うのだと。

今までとこれからでは、きっと多くのことが変わるのだと思います。
生活の仕方はもちろん、生き方もどこか変わるのだと思います。
沢山の楽しかったものが意味を無くしてしまいました。
でも、生活と人生はこれからも続いて、意味を取り戻さなきゃいけない。

先週金曜の夜、赤坂見附の駅へ向かいました。
そこを通る時は、いつもグランドプリンスを見上げるのが癖になっています。
いつもそうしたように、その日も見上げました。
ほんの数えるほどですが、窓に明かりが灯っていました。
営業終了後のホテルが、被災者の方々に部屋を提供しているという
ニュースを思い出しました。
それが希望だなんて言いません。
また出なければいけないのだろうし、そこから出れば、
いえ、今もどんなに過酷な時間を過ごしていることかと思います。

だけどやっぱり、時間は過ぎていくし、進んでいきます。
私もまた少し元通りの生活をして、本を糸口にした東京散歩も再開します。
またよろしくお願いします。