京極夏彦さんの本は危険だ、
と思う。

ちょっと前に山手線に乗っていた時のこと、
秋葉原から「いかにも」な、
「いかにもアキハバラ」な
三人組が乗って来た。
とても空いていて、私の前の席に座った彼らの会話はまる聞こえだった。

「それは△◎□ですな」
「いやいや、それは○■です」

ってもう、なにやらわからんが、これまた「いかにも」な会話をしていたのです。

なんて人たちを笑えなくなるのが、京極夏彦さんの本を読んでいる時の自分の姿。

「えっ」とか、
「おっ」とか、
「あら」とか思わず言ってしまうんですよ。

この人の作品は、時代や舞台が全然違っているのに、
昔お会いしたはずの登場人物がうっすら関係していたりすることが多くって、
読みながら思わず「あっ」と言ってしまうのです。
それを小賢しいとか、言う人は言うのかもしれないけれど、
本を読んでいる時、その世界にどっぷり浸かっている私には、
久しぶりの再会てぇな気がしたりして。
(この感覚もまたアキハバラ的ですが・・・)

そんなわけで、電車の中で読むことを自粛したくなる小説です。
最初の出会いはこれでしたね。



姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)姑獲鳥の夏 (KODANSHA NOVELS)
著者:京極 夏彦
講談社(1994-08-31)
販売元:Amazon.co.jp
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『姑獲鳥の夏』を読んだ時のページをめくる指が止まらない感じは、忘れられません。
昭和27年を舞台にしたミステリーで、舞台は雑司ヶ谷の産院。
二十ヶ月もの間子供を身籠っている産院の娘や失踪したその夫、
赤ん坊の連れ去り事件など、終戦後のカストリ的雰囲気をよく表しています。
それに、妖怪や民俗学の知識がちりばめられていて、これまでにない本だと思いました。
京極夏彦さんが出てくるまでは、妖怪ってコアなファンや
水木しげるさんのマンガの世界だけのものだった気がしますが、
いかがでしょう?
この本に出てくる鳥山石燕なんて人も、割とポピュラーになったのは、
京極夏彦さんの功績ではないかと思うのです。
子供の頃から小豆洗い大好きで、それ以外はあまり知らなかったのですが、
この人の本を読んでいると自然に妖怪知識が増えていきます。



鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)
著者:鳥山 石燕
角川書店(2005-07-23)
販売元:Amazon.co.jp
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201102142320000←小豆洗いです。
ショキショキと小豆を洗います。