先日、ここで書いた家の近所にある
築90年を越す旧日本軍の軍事工廠だった赤煉瓦倉庫の立て替え工事が始まるという。
北区の中央図書館になる話は本当だったようだ。
心配になり覗きに行くと、出入り口はバリケードで封鎖されていた。

北とぴあのような建物を駅前に建てたり、
江戸時代からの桜の名所、飛鳥山の桜をわざわざ切って
大理石の公園にしてしまう様な無粋な北区だけに、
最終的にどんな形に姿を変えるのか、目が離せない。

北区は保存を兼ねると説明しているそうだ。

赤レンガ倉庫の内部公開イベントを先週末に行なっていたそうだけど、
そのイベント自体、消極的に思えるのは建て替え反対運動が高まる事を恐れてだろうか。

いっそもう、無粋な北とぴあを図書館に建て替えてしまえば良いのに、と思う訳でした。
と、こちらの動きは個人的に追い続けたいと思っています。

ところで、
新橋2丁目交差点の角に、
まるで映画『三丁目の夕日』の街角に出てくる様な
4階建ての美しい昭和建築が残っている。

ここも車やバイクで通り過ぎるたびに気になっていた場所。
4月のある日、ハッセルブラッドを肩にぶら下げて新橋にやって来た。

堀商店と言う聞き慣れないお店。
格式ある商店に違いない。


堀商店の交差点の向かいに立って、カメラを構えると、
先客のシャレたハットをかぶっている老紳士が慣れた手つきで堀商店にカメラを向けていた。


三信ビルと同様、スクラッチタイルをあしらった意匠は代表的な昭和前期のファッション。
建築界の巨匠、ライトが大正時代に建てた帝国ホテルの新館で
スクラッチタイルを採用したのを機に昭和の建築で大流行りとなる。



堀商店の店内を覗くとレトロな鍵や錠、ドアの蝶番、建具、トランクなどが処狭しと並んでいる。
1890年明治23年に創業の堀商店は、輸入商社として始まり、90年以上の歴史を誇る鍵や錠のメーカーだそうだ。


ウィンドウの商品は、どれも魅力的で、色気と存在感があり、
手にしてみたくなる品物達ばかり。

まるで愛用のハッセルブラッドのような趣。
やっぱり、モノというのは長く使えて愛着が湧くものじゃないといけないね。
職人の心意気を垣間みるのでした。