夕方からの強い雨と風から逃れるために、池袋西口からすぐの喫茶店「本格珈琲 昭和」に入る。

雑居ビルの地下1階。木の家具が配され、さっぱりした雰囲気のお店だが、壁一面に掛けられた古時計や、「太陽の塔」のオブジェなどの大阪万博グッズが、店名にもある「昭和」を感じさせ、不思議なバランスになっている。

小さな店内に、私のほかは団体客が一組。老若男女、外国人までいるバラバラな面子の彼らは、脚本や演出がどうの、という話をしていた。どこかの劇団の関係者のようだ。プロなのかアマチュアなのか分からないが、とにかく彼らは「いかにも演劇系」という佇まいだった。

ピンクのカーディガンを着た目の大きなかわいい女の子が注文を取りに来て、私は「昭和ブレンド」というコーヒーを注文した。そしてお店の本棚から、写真家の森山大道を特集した雑誌を選んで読みはじめた。なんでもない都会の路地が、色気を放って映し出されている。その雑誌が発行された2004年に、森山大道は「池袋のメトロポリタンホテル近くのマンションの11階」に住んでいたとある。あ、このお店のすぐそばだ。

ボーンボーンと、古時計のひとつが店内に鳴り響く。私は驚いて、どの時計が鳴ったのか、思わずきょろきょろしてしまった。
カウンターに、「点取占い」という、おみくじのような小さな紙が置いてあった。一人一回やって良いと添え書きがしてある。ひとつ取り、開いてみると、こう書いてあった。

動物園で お猿のまねをした 4点    

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本格珈琲 昭和
豊島区西池袋3-24-3-B1
03-3987-0230
9:00~21:00
水休