せきしろ著「去年ルノアールで」という本を読んでいる。

喫茶店(ルノアール)に通い、客や店員の様子を眺め、妄想を暴走させ、無益な一日を過ごす・・・というエッセイだ。ここに出てくる客たちが、実に個性的。「黒豹がプリントされたトレーナーを着てるおばさん」「ディズニートレーナーを着た若い夫婦」「元プロ野球選手の落合とかが着そうなザックリセーター」「刺繍&ラメ入りのジーパン」(著者はこれを"ルノカジ(ルノアール・カジュアル)"と言っている)・・・なんて、イメージしやすいキャラクター達だろう。 ここまで個性的な客がいることは稀有にしても、観察し甲斐がありそうな喫茶店というのは存在し、たまにものすごく行きたくなることがある。

今日はちょうどそんな気分だった。そういう喫茶店はたいがい、ちょっと退廃的な大きな街にある。そして私のかなり偏見の入ったイメージだと、池袋や川崎あたりが合っている気がする。
というわけで、池袋の喫茶店「純喫茶フラミンゴ」へ。池袋駅西口からすぐの雑居ビルの地下2階。広いお店。海外のミュージシャンによる、ロックバラードの「ハナミズキ」(一青窈の)が流れていた。さすがに黒豹がプリントされたトレーナーを着たおばさんはいないけど、黒い大きなサングラスに赤いキャップ(後ろ前かぶり)のおばさん、真剣な顔で話し込んでいる東武デパートの(たぶん)販売員の女性たちなど、観察しがいのあるお客はいる。

コーヒーを飲みながら、「去年ルノアールで」の続きを読み始める。不毛だ、実に不毛だ、と思いながら読みすすめるが、喫茶店に通いつめて人間観察、妄想を膨らます、というのは私も似たようなことしてるじゃないか。

せきしろ氏のような気の利いた妄想は、できないけれど。  

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純喫茶フラミンゴ
豊島区西池袋1-15-9-B2F
03-3986-5638
8:30~23:00
無休