私の人生(生活)に欠かせない、音楽。

けっこういろいろ聴いてる、と思ったけど、いざ喫茶店や喫茶店にまつわる歌詞が出てくる歌を探してみると、これがけっこうない。歌の歌詞って思ったより抽象的なものが多いみたいだ。(ちなみに「喫茶店 歌詞」で検索すると知らない古い歌がたくさんヒットする。そもそも「喫茶店」自体が、古い響きなのだ。)

しかし、私の一番大事な歌のなかに、喫茶店が出てきていた。加藤登紀子の「時には昔の話を」。宮崎駿の映画「紅の豚」の主題歌になった歌だ。
出会ったのは大学時代。当時私はアカペラバンドを組んでいて、メンバーのひとりがこれをカバーしたいと言い出した。それまでビートルズやドゥー・ワップなどを歌っていたからそのときは意外な選曲だと思ったが、やがて私たちの一番大切な歌になった。

当時は、歌詞の意味なんか深く考えずとにかく必死で歌っていたけど、あれから8年経った今聴いてみると、この歌の歌詞は、私たちの青春そのものに思える。

時には昔の話をしようか
通いなれた なじみのあの店

マロニエの並木が 窓辺に見えてた
コーヒーを一杯で一日

見えない明日を むやみにさがして
誰もが希望をたくした

ゆれていた時代の熱い風に吹かれて
体中で瞬間(とき)を感じた
そうだね

私が大学時代に入り浸っていたのは、古い喫茶店ではなくて、大学の真ん前にある カフェだった。素敵なママとマスターがいた。いつも、長っ尻の学生や教授で賑わっていた。店内にはいつもビートルズがかかっていた。閉店の12時過ぎ、ママに追い出されるまでねばっていた。

記憶の中に、大切な喫茶店があるのは幸せなことだ。この店の記憶があるから、私は今でも、素敵な店を求めて、喫茶店を訪れ続けているのかもしれない。 

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時には昔の話を
1987年
歌:加藤登紀子