年末休みに訪れようと企んでいた、尾山台のフランス菓子店「オーボンビュータン」。

しかし、人生初のインフルエンザにかかり、ほとんど引きこもり状態の日々が続いてしまった。布団の中からでは、オーボンビュータンは、パリと同じくらい、遥か彼方の存在のように思えた。

そしてもう12月30日、すっかり年の瀬。こんな時期にもうやってないかも、と思いながら電話をかけてみる。パリほど彼方に思えていたオーボンビュータンと、10ケタの数字であっさり繋がることに驚きながら、今日はやっているかと聞いてみると、今日も明日(大晦日)も開くという。「お待ち申し上げております」という上品な応対に意を決して家を出た。

4度の乗り換えを経て、大井町線・尾山台駅へ。商店街を歩き、お店にたどり着く。中に入ると、まず目を奪われるのは、ガラスケースにずらりと並ぶケーキ。そして向かいのチョコレート、フリュイ・コンフィ、キャラメル、ジャムにコンポート、それに奥にはパンと焼き菓子。重厚な飴色の木の家具に置かれたそれらは、まるで宝石。眺めるだけでうきうきしてくる。

カウンターでお店のケーキを食べられるので、さっそく注文することにした。店名でもある「オーボンビュータン」を頼もうとしたが、なんだか舌がまわらない。うう、数日家に閉じこもってろくにしゃべっていなかったからだ。3回くらい言い直してなんとか注文する。
飲み物はエスプレッソにした(これは1回で言えた)。 オーボンビュータンは、カスタードクリームと洋梨とポワール酒入り。今まで食べたことのない、魅惑の味。病み上がりで、しかもお酒がほとんど飲めない私は、ポワール酒がまわってちょっとぽおっとしてきた。

いや、酔ってきたのは、お酒のせいだけじゃない。お店に溢れる宝石のようなお菓子。白い制服の若い男性店員たち(ここは、店員さんはみんな男性なのだ)。フランスのパティスリーのような内装とラジオから流れるフランス語。そんな、お店の世界に酔ってしまったのかもしれない。

気持ちが大きくなってしまい、お土産に焼き菓子の詰め合わせと、いちじくのジャムと、マカロンを1個、買ってしまった。  

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オーボンビュータン
世田谷区等々力2-1-14
03-3703-8428
9:00~18:30
水休