日本で人気の「猫カフェ」。実は、台湾が発祥の地だという。

台北市内、明徳にある「藝術雅集」という猫カフェに行く。
3人のアーティストが営む、「アートと猫を楽しみカフェ」だ。店内は画材道具をモチー
フにしたオブジェなどが飾られている。

しかし、肝心な猫がいない。お店のお姉さんに「すみません」と声をかけると(ほとん
ど台湾語を覚えていかなかった…)にっこり笑って「ネコ?」と言われ、こっちにおい
でというジェスチャー。お店の奥に案内される。そこには大きな猫のゲージがあり、
20匹ほどの猫が入っていた。お姉さんがそこから猫を出してくれた。

お客から歓声があがるが、誰も騒いだりはしない。猫たちが席に近づいたときに、撫
でたり写真を撮ったりするだけだ。ここはただ「猫のいるカフェ」で、猫も人間も自然に
くつろぐ空間なのだと気づく。「猫カフェ」と呼び騒いでいるのは日本人なのだ。

お店ではパーティーが行われていて、お客さんが歌を歌ったりギターを弾いたりして
いた。私もギターを挫折しなければ仲間に入れたのに、なんて思いながら、彼らの音
楽に耳を傾けていると、テーブルの上に一匹の猫が来た。
彼女(彼)は私とレモンジュースの間に割り込み、お尻を向けて寝てしまった。マフラ
ーをうまい具合に自分の下に敷いて。

お姉さんに彼女(彼)の名前を聞くと、「逗點」と教えてくれた。「鼻の上のホクロ」とい
う意味だそうだ。

1時間ほど、彼女(彼)のお尻を眺めていた。しかしずーっと寝ているので、そっとマフ
ラーをとり、立ち上がった。とても後ろ髪ひかれた。

よく晴れた夕暮の時間に、異国の地で、猫と音楽と過ごす。とても良い時間だった。
彼らは今日、どんなお客さんと、どんな時を過ごしているのだろう。

※「逗點」は、お姉さんの発音が聞き取れず紙に書いてもらった名前です。読み方が
分かる方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。 aicon

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藝術雅集
台北市北投區明徳路113巻2弄2號
02-2820-7119
11:30~22:00
無休(旧正月は休)