御徒町には宝石の問屋街がある。

どのお店も明るすぎる。パチンコ店との区別がつかないほどだ。どこのお店も呼び込
みが激しい。そして、「パンチパーマに上下スウェット」の客率がとても高い。

そんな宝石問屋街の路地に「JUN」という喫茶店を見つけて入る。なんだか異様に
細長いお店だ。4席あるテーブルが15列。それが両壁に配置されている。
4×15×2=120席。しかしお客は2人だった。

ママと常連客が「○○部屋はできたばかりできれいだから…」と話している。引越しか
何かの話かと思って聞いていると、どうやら住む部屋の話ではなく「相撲部屋」の話
だった。ママか常連客のどちらかの息子がお相撲さんのようだ。

カフェオレを飲み、レジでお金を払うと、ママが「あら、冷たい手。明日はもっと冷える
らしいから、気をつけてね」と言った。その言い方は「お母さん」みたいだった。

ふと、上京した日のことを思い出した。父と母と弟と車でアパートに来た。そして夜、
父と母と弟が帰っていった。そしてそのとき、私はほんの一時的だけど、ひとりぼっ
ちになったのだった。
今は、ひとりぼっちじゃない。この場所には、大切だと思える人がたくさんいる。

なんだかとても温かい気持ちになった。

jun01.jpg

jun02.jpg

jun03.jpg

JUN
台東区JR御徒町駅から徒歩5分位