阿佐ケ谷駅を降りて、駅前の商店街を歩いていたら、猫の散歩に出会った。

歩いていたのはシャム猫だった。オスかメスかは分からないが、ハスキーな声で「ニャ
アオ」と鳴いていた。
連れているのは、背の高いスマートな女性だった。猫は飼い主に似る。

夕暮れどきで、商店街「スターロード」は居酒屋やバーがのれんをあげているところだ
った。突然、けたたましいサイレンが鳴り響いた。そう遠くはないところで、火事が起き
たみたいだ。家々からおじいちゃんが出てきて、「○○さんちの近くじゃないか」と話して
いた。

風に乗って、ピアノの音が聞こえてきた。今私が向かっている「名曲喫茶ヴィオロン」
からだ。ちょっと道に迷ってたどり着いたそこは、見た目は小さなアパートの一階にあ
る普通の喫茶店なのだが、開けてみると別世界。大量のスピーカーとレコードが、薄
暗い小さな空間に詰まっていた。

花びらのようなカップに入ったコーヒーが運ばれてきた。ブランデーを入れますかとマ
スターが言ったが、遠慮することにした。
小さなソファにもたれ、音楽に身をゆだねる。モーツァルトかハイドンか、全然分から
ないが、よく聞いたことのあるなんとかの何楽章?というような曲が流れていた。

天井から、バタン、と音が聞こえてきた。上の階には、日常の生活がある。
名曲喫茶ライオンはお店の場所も中身もディープだったが、ヴィオロンは対照的で、
「日常的名曲喫茶」といえる。

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名曲喫茶ヴィオロン
杉並区阿佐谷北2-9-5
03-3336-6414
12:00~23:00
火休