下北沢の駅を降りると青春のにおいがした。

そして「私はここではない場所で青春を過ごしてきたのだな、そして今の人生
では、この場所で青春を送ることはないのだな」と、ちょっとだけ思った。

古着屋、居酒屋、ライブハウス、劇場などであふれる駅前を抜け、「珈琲音楽
いーはとーぼ」へ。
お店の前には、劇団やミュージシャンのフライヤーがたくさん置いてある。
長い年月が流れているが、窓から注ぐ陽気のせいか、レトロ趣味ではなくしっ
かりと今に存在している感じだ。
大きな音で音楽が流れている。業務用コーヒーミルの音がかき消されるほどの
音量。
お客さんは私の他に、長髪の、いかにもアンダーグラウンドな男性ふたり。
読書に没頭している。

窓際の席に座る。テーブルの上には「BANANA FISH」が全巻と、ビンの中に、
小さな白い花の咲いた枝がひとつ。
花たちが、元気に伸びた小枝からポップコーンのようにぽんぽんとあちらこちら
に咲いていて、コーヒーを飲むとき、いちいち枝を押さえていなければならない。

かわいい小さな白い花をながめながら、春の訪れを待ち望む。

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いーはとーぼ
世田谷区北沢2-34-9-2F
03-3466-1815 
12:00~25:00
元旦のみ休