09july2200.jpg前を通るたびに気になっていたお店
TRIFLE(トライフル)。
アンティークショップですが、
店先に「おいしい地サイダー」って
看板が出ているんです。
蒸し暑いある日、一本買ってみようかな、
と立ち寄ってみました。




こちらのお店、本来は時計とガラスの器が専門。
時代的には明治~昭和30年代、
日本製のものが主流です。
壁や棚には古い柱時計や置き時計、ガラス製品が並んでいて、ジャズと時計のチクタク音が静かに響いています。





その奥に冷蔵ケースがあって、そこには4種類のサイダー
(入荷状況により品揃えは異なるみたいです)。
どれもガラス瓶で、クラシカルな紙ラベルがいい味出してます。
兵庫鉱泉「シャンペンサイダー」を購入したついでに、
「なぜアンティークショップで、地サイダー?」
と聞いてみました。

お店で扱っている古いグラスを楽しんでもらうために、
当初はお店でお酒を出そうかと考えていたそうですが、
買い付け先での出会いなどもあり、
より多くの人に楽しんでもらうなら「地サイダー」がよかろう、
ということになったんだそうです。
地サイダーとは(Wikipediaのページにとびます)


確かに、レトロなグラスとサイダーってお似合いかも。

それにしても、古ガラス、いいわあ。
ご主人は
「自分にとってはバカラよりこっちのほうがいい。使っていて楽しい」
とおっしゃっていました。
強く同意します(バカラを持つ身分でもないワタクシが言うのもなんですが)
表面が均一じゃなくて、はちみつとか氷を思わせる質感がきもちよいのです。

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サイダーにひかれてお邪魔したわけですが、やっぱり印象的だったのは古時計です。

09july2206.jpgお店では、買取・販売だけではなく修理も受け付けてくださいます。
もちろん、店頭に並ぶ古時計もすべて修理済み。ちゃんと動きます。

ただ、ゼンマイを巻かなければ動かないし(基本的にゼンマイ式なのです)、季節の変わり目など、湿度の影響で時間がずれていくことも。
古いものだから定期的なメンテナンスも必要です。

効率に最大の価値を置くなら、古時計なんて、
言葉は悪いけど手間ばっかりかかるガラクタみたいなものかもしれません。
でも、今の製品にはないデザインや味わいは捨てがたい。
なにより、ご主人曰く「手をかければそれに応えてくれる。そうなると愛着も湧くんですよ」。


そんなふうにいつくしめるモノがある暮らし、あこがれます。


昔の柱時計や置き時計って、インテリアの一部というよりは
家の中心的存在だったんじゃないでしょうか?
それだけに、ここにならぶひとつひとつの時計にいろいろな物語があるんだろうなあ。
今となっては、同じ物は作れないわけだし。
「ガラス製品もそうですが、段々入手は難しくなっていくでしょうね。
だからこそ大切にしてかなければと思います」
とご主人。

そういえば子どもの頃、ウチにも柱時計がありました。
チクタク音がして、毎時「ボーン」と鳴る、昔ながらの大きな時計。
あの音も含め、好きだったなー。
賃貸生活になってからは、壁掛け系のモノへの思いは封印していましたが
やっぱり、いいなあ。
柱時計は無理でも、置き時計ならいいかも...
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ところで、買ったサイダーは持ち帰って飲みましたが
(すっきりシンプルな甘さでうまかったです)
お店で飲むこともできます。
飲み終わった空き瓶は、メーカーさんに返却するそうです。
もう製造されていないガラス瓶(おもに三ツ矢サイダー)を再利用していることが多いので、貴重なのです。

楽しいお話ありがとうございました。
また遊びに行きます!



トライフル
東京都杉並区松庵3-31-16