ヒョウ柄の袋に入って捨てられているのはLPガスボンベ。

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これだけの数を一気に捨てるというのは、
どれだけの鍋をしたのか?
力士?レスラー?それとも……単純に捨て忘れ…は夢がないのでやめましょう。
夢がある5本のガスの使い方……

この本数からして大家族、12人、上は40歳の長女から下は4歳。
両親は既に他界して、40歳の長女が家庭を支えている。
そんな長女に恋をするヒマなんてあるわけがなかった。

長女・あけみは悩む。
「私は家族を支えるために働いてきた。その人生に後悔はない。
でも、私の幸せって何だろう?最近、考える。このままでいいの、私の人生。
40歳にもなってろくに恋もした事もなければ、夜景を見て素敵なデートなんてのもした事がない。
恋がしたい。恋がしたい。恋がしたい」
スーパーからの帰り道、カバンからはみ出たネギに恥ずかしさを覚える事もなくなった。
商店街を抜け家までの帰り道。
そこに雨。濡れるあけみ。
両手ではとてもしのげる雨ではなかったので店先に一時的に雨宿りをする。
横を見れば、同じ状況の男。
「すごいズブ濡れですね」
「えっ」
いきなり話しかけられた事にも驚いたが、
あけみはそれほどは濡れていかなった。
「別に濡れているのは服でもなければ体でもないですよ。あ~、かといってボクが下ネタを言いたいわけではないですよ、ただ……」

(ちょっと待って、この人すごいヘン)
「ただ?」

「あなたの心がズブ濡れだって事」
恋に落ちた。故意に落ちた。恋に落ちた。

二人は後日、結婚。
嫁ぐ前日にあけみの家族みんなで盛大な鍋パーティが開催された。

捨てられたガスから見える素敵なラブストーリー。強引にもゴミからそんな事を連想してしまった。
東京、それはゴミの街であり、そしてドラマの街!


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