下高井戸駅




世田谷線に乗って下高井戸駅に着いたとき。


ふと電車の窓をみたら、


こいつがくっついてました。


DSCN1202_ORI.jpg




いつからくっついていたのでしょうか?


走ってるあいだも、


がんばってくっついていたのでしょうか?




世田谷線の線路には雑草がいっぱい生えているからなあ。


どこかの駅で電車が停車しているあいだに、


葉っぱからぴょんと飛びあがってみたら、


あれ?なんだか動きはじめちゃったよ。


えー???


えー?????


そんなつもりじゃなかったのにー。


というかんじで下高井戸駅まで来ちゃったのでしょうか。




でもね。バッタくん。


この電車はこのまま折り返すから。


もう少ししたら


きっとお家に戻れるはずだよ。




もしくは。


気が向いたところで降りて、


新しいバッタ人生(?)を


はじめるのも楽しいかもしれない。


見たこともない素敵な草が見つかるかも。




たまたまはじまった冒険を


続けるのもやめるのもバッタ君次第。


君はどこへ行くんでしょうね。




迷ったときは、


こころが縮んでいかずに、


拡大していくかんじの方を


選ぶといいんだって。


なんかの本に書いてあったよ。




どちらにしても、


素敵なバッタ人生でありますように。


幸運を祈ってるよ!!




と歩き去ろうとしたら、


こんな声が聞こえました。




おいおい。


だまって聞いてりゃ、勝手なことを。


オレはたまたまここにいるんじゃないんだよ。


三軒茶屋まで新しい草を仕入れに電車に乗って行くつもりなんだよ。




だいたいバッタ人生ってなんだよ。


バッタには人生なんてないんだよ。


人じゃないんだからさ。




そもそもバッタはなあ。


人間みたいに迷ったり悩んだりしないんだよ。


オレたちの一生は短いのさ。


ぼやぼや迷ってたらそのあいだに死んじまうだろ。


悩むなんてムダなことしてるほど暇じゃないのさ。




バッタにはバッタの一生。


人間には人間の一生。


だからおまえの思いを


オレに押し付けるのはやめてくれ。




あ。。。


そうですよね。


バッタさん、すみません。




だからさ。


さっきまでバッタ君って呼んでたのに、


急に呼び方、変えんなよ。


ほんと人間ってめんどくさいな。


それでおまえこそ、どこ行くんだよ?




えっと。。。わたし。


どこ行くんでしたっけ???




知らねえよ。


んじゃな。




それきり。


バッタさんは、しゃべりませんでした。






下高井戸駅のホーム


電車1両目の窓にバッタさんは


くっついておられました。