駅近くのラーメン屋には、カオリちゃんってゆう女の子が働いていて、僕はいつも近くのコーヒーショップの大きな窓から彼女を見つめている。


ほとんど毎日、見つめ続けている。


 


いつだって彼女は笑顔が可愛いし、元気に動き回っている。


体は小柄で華奢なのに案外胸は大きかったりして。


少し小さめな白いTシャツからその形と大きさがよくわかった。


彼女の髪が揺れる度、汗を時折腕で拭う度、匂いを想像する。


それだけで、僕はとても幸せな気持ちになった。


 


いつのまにやら頼んだホットコーヒーは温くなり、物思いにふけっているというのには長すぎる時間が経っていた。


まぁ、いつものことなんだけど。


鞄の中から手帳を取り出し、仕事のスケジュールを確認するフリをしながら僕はペンを持つ。


そして、また想像するのだ。彼女の事を。


 


僕は確かにカオリちゃんに恋をしている。


しかし、付き合いたいとか思っているわけではない。


そうだな、ただ、カオリちゃんと小説の貸し借りをしたい。借りた本から彼女の匂いを感じたい。ページをめくる度に彼女を感じたい。


そう、ただ、僕はそんな事を想像して、願っている。


 


会計を済ませ、外に出る。


いつも通り、外は暗くなっている。


カオリちゃんはまだ、元気に働いている。


 


僕はその姿が見れるから、こうやってなんとか生きていられるんだろうね。


きっと