日本酒が揃っているお店と聞いて、以前から気にはなっていたけど、
焼きおにぎりが「つまみ」になる という酒徒善人さんのエントリを見た。

〆じゃなくて肴になるのか?!と、不思議に思いつつ、俄然行ってみる気になったのは

渋谷にある とみ廣

渋谷といっても、スクランブル交差点なんかのゴチャゴチャうるさい方面ではなく、恵比寿方面。
それだけでも、ちょっとは足が向きやすい。
とはいっても飲み屋は沢山あるのだけど、その界隈のなんとも普通の雑居ビルの地下2Fにある。

この地下へ降りる階段が、「この先にはきっと何か良いお店がありそうな・・・ワクワク」 といった渋さ。


地下2Fに着くと、電光看板が目に飛び込んでくる。
暖簾も合わせて良い雰囲気。

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店内に入ってしまうと、意外と普通の飲み屋さんで、なんだかほっとする。
壁や畳やテーブルを見ると、なかなか年季が入っていて、ちょっとした歴史を感じる。


カウンターの上には、「お袋の味」といった大皿料理や、芋・野菜などが置かれていて
中では2人のオヤジさんとおかみさんが忙しそうに動いている。

カウンターに座りたかったけど、そこはぎゅうぎゅう詰めで満席・・・残念。
対して、20人くらいは座れそうな小上がりはガラガラ。
やっぱりみんなカウンターがいいんだなぁ。


「残念だけど、たまにはね」 と、小上がりの一番奥を陣取って一息。
まずはビールでも・・・とメニューを見ると、ここは瓶ビールのみ。

でも、アサヒにキリン、サッポロ・・・色々な銘柄が。
一ブランドしか扱っていない所が多いけど、色々あるなんて面白い。

この中から エビスビールを頼み、お通しのひじきのお浸しをいただく。

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昔はもっぱら「生ビールで!」と言っていたのだけど、
最近まったりと瓶ビールを傾けるのもいいなぁ、と思ってしまう。
ヘタに不味い生ビールを飲むより、瓶ビールの方が美味しい時もあったりして。


お料理は、壁に貼られた短冊か、冊子がちゃんと用意されている。

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飲兵衛好みの肴から、煮物、お魚料理まで、日本酒に合いそうなものがたくさんで
どれもこれも食べてみたくなってしまう。

ちなみに、お手頃価格な料理は、もちろん有るのだけど、
お刺身や煮魚、焼魚なんかの 値が少々高めの設定で、一番安くて1,000円。
気軽に何でも・・・という感覚ではないにしろ、
舌のおかしくなった渋谷の若者たちに荒らされないのは嬉しい。


さて、我々は、ちょこちょこっと肴を頼むついでに、最初っから 焼きおにぎり を注文。
じっくりじっくり時間をかけて焼くから、早目に頼んでおいた方が良いという。

店主は「〆じゃなくていいの?」 と聞いてくれたけど、
つまみにしたいので最初に頼みたい旨を伝えると、案の定 「40分くらいかかるよ。」 とのこと。

私は事前に聞いて知っていたのだけど、
連れは店主がキッチンへ戻った後
「ねぇ!40分って言った???」 と耳を疑っていたのが面白い。

でも、よくよく考えると、ホントに40分はスゴイ。
こんなに時間をかけて焼くほど手の込んだ焼きおにぎりや、いかに?!


ちなみに、おつまみは いか塩辛いか刺し からぼちぼちスタート。

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あら・・・狙ったわけじゃないけど、気付いたらイカづくしだ。
「日本酒に合うような肴は・・・」と思って選ぶと、イカが多くなってしまうこともしばしば。
そういえば、日本での食材消化量NO.1がイカというのも本当のだろうか。

いか塩辛は自家製だろう、たまに荒く刻まれた感じのするワタが舌の上に乗っかってくる。
いか刺しは、「今日はやりイカの良いのだよ。」とおかみさん。
確かに引き締まった身で、自然な甘さがある。

んー、これは早く日本酒に行きたい!

日本酒メニューを見ると、これまた沢山の銘柄。
最近流行の日本酒というよりも、ちょっと前の日本酒ブーム火付け役、といったラインナップか。

久々に冷たい 開運 純米吟醸 なんかを飲んでみようかなぁ、と。

グラスに一合注いでだしてくれる。
他にも、純米なら宗玄、出羽桜、黒龍、玉の光、〆張鶴、東北泉、王録などなど。


お酒2杯目くらいになると、
入った時はガラガラだった小上がりも、次第に人が増え始める。

混んでくるとお酒が出るのが遅くなるかな?と思い、ちょっと早目に次のお酒を注文。

宗玄 純米吟醸 をお燗にしてください。

というと、「純米だけど、いいの?」と、心配そうに言うおかみさん。
「えぇ、えぇ、いいです。純米“を”、お燗にしたいので、お願いします。」 と強調してみる。

その後、キッチンに向かって 「宗玄、熱燗だって!」 と、大きな声で言ってくれていたので、よしよし。
しかも、「混み具合からすると時間がかかるかな?」と思っていたのだけど、すぐに出てきたのが嬉しい。


しばらくして、最初に頼んだ 肉豆腐 がやってきた。

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これが旨そうなのだ!
イヤ、食べればもちろん旨かったのだけど、
食べる前から「うまそ~」と言ってしまいたくなるような、出汁とお肉の香り。

懐かしいようなこの味わいが豆腐にも染み込んで、お燗が良く合う。


日本酒は最後まで、宗玄の熱燗。
アレコレ新しいお酒を探すより、空になった徳利を差し出して 「同じのください」 とだけ言って、
のんべんだら~りと飲みたくなってしまう、そんな感じ。


さて。
連れとの話も盛り上がり、すっかり 「何か」 を忘れかけていたころ・・・
「お・ま・た・せっ!」と、店主。
↑こんな弾んで言わなかったかもしれないけど、なんだか自信満々な感じ。

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おお!そうだ。焼きおにぎり!

これかぁ。
一人前で2個、結構大きい。
しかも話に盛り上がって、忘れかけていた頃にやってきたので、尚更嬉しかったりする。

かぶりつくと、醤油のい~い香り。
外側はカリカリで中はもちろん柔らかいのだけど、このカリカリ部分が結構分厚いのだ。
じっくりじっくり焼かないと、焦げずにこの香ばしい厚みは出ないだろうに・・・。

これが 40分もかけて焼き上げるおにぎり! お見逸れ致しました。

このカリカリだけでも、ホントにつまみになるから嬉しい上に、中に入ったシャケがまた良い塩梅だ。


最初は「つまみに・・・」 と頼んだのだけど、結局〆となってしまった焼きおにぎり。
炭水化物は最後に食べない自分にとっては、これはいい酒の肴 兼 〆 となった。


渋谷にあってあの喧騒から離れられる貴重な空間、そして焼きおにぎり・・・
これを肴に地酒一杯ってだけでも、またやりたいなぁ。


[お店情報]
アクセス:渋谷駅から徒歩3分
住所:渋谷区桜丘町16?14 ドルチェ渋谷B201
電話: 03-3461-9056
営業時間: 17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日: 日、祝

[飲めるお酒]
手取川
司牡丹
酔鯨
三千盛
天狗舞
菊姫
田酒
久保田
〆張鶴
開運
黒龍
出羽桜
宗玄
玉乃光
一ノ蔵
浦霞
菊水
黒牛
東北泉
などなど・・・もっとあるかも