上はマンション、1Fは商業施設、そして地下には飲食街がひろがるとある地下街。

その一角に、何気なく酒瓶が飾られているお店がある。
酒瓶を見せているお店はよくあるのだけど・・・

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このラインナップ、「ちょっと待て!」と言ってしまいたくなる。

さり気なさ過ぎるのと、マンション&駅直結の地下という場所柄、
普通なら素通りしてしまいそうなお店だ。


前夜、蔵朱 というお店に連れていってくれた飲み友達(=大先輩)がよく行くお店で

さらむむ という。

大阪観光(ちゃんと、下町商店街という、滅多に旅行では行けない所を練り歩いた)の後、
伺ったのは 11:00 am

ホントは夜に伺いたかったのだけど、昨夜は生憎の定休日。
この日は代休を取ってはいたものの、夕方には東京に戻らなければならなかった。

しかし、「さらむむにも行きたいなぁ・・・」という私を、
「ランチタイム、定食を肴にじっくり昼酒でもしようではありませんか。」と連れていってくれたのだ。 


ちなみに11:00オープンのお店には、やっぱりまだお客さんは誰もいない。
一番乗りだ。

昼間からお酒ですからネ・・・と、カウンターの一番奥に腰掛けていると
「まだ誰もお客さんいないし、冷蔵庫の中身、見に行きますか?」と、先輩。

すると、さっきの外から見えた酒瓶が並んでいたところ、ココが冷蔵庫だった。

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どうやら、我々好みのお酒をこの日の午前中までに仕入れてくださったそうで
これまたウマそうなお酒がたくさん!

ビールを飲むつもりがないし、一番最初だし、ということで、冷酒で選んだ

鷹勇 無ろ過生原酒 そして、先輩がお燗で選んだ 辨天娘 槽汲み を。

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以前、 志ノ蔵 で、この鷹勇は飲んだのだけど、もう一度冷酒で飲んでみたかったのだ。

半合のグラスで、くいっと・・・

ああぁぁ~うまい~。
前日のお酒なんぞ、すっかり抜けていたけど、この鷹勇が胃にじわ~~っと沁みていく。
幸せだ。

しかも、平日。そしてお昼!

昨日東京に戻った同僚のみんなは今も仕事してるんだろうなぁ~。
なんて、少しは後ろめたい気持ちもありつつ(ホントか?!)
この贅沢を噛みしめる。


ちなみに、いつもはランチに「つきだし」なんて出ないらしいのだけど、
この日はマスターが特別?に出してくれた。

バンダナがお似合いのマスター、若く見えるのにもう初孫が生まれたとか?!
常連でもある先輩に、ちょこちょこ話しかけてきてくれるけど、口調もとっても優しげ。
そしてもう一人いる方はお母さんだろうか。

さて、自分が選んだ定食は かす汁定食 。

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このかす汁は 鷹勇の酒粕 だとか。

この粒粒感、そして米米したお味、すごい濃厚。
酒粕もさることながら、全然甘くない味付けがとっても嬉しい。

これは肴にぴったりかも。
と、定食なのに、すっかり飲みモード。


しばらくすると、マスターが 今年の 秋鹿 飲んでみました? 

と、オススメしてくださった。 特別純米酒 雄町 だ。

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できたての槽汲み、冷たいのとお燗と、両方味わってみたのだけど
雄町のふくよかで優しい味わいがフレッシュな中にも感じられる。

秋鹿も、地元関西で出すものと、関東方面で出すものと、いろいろ分けているらしい。
だから、トーキョーでも秋鹿はよく見れど、
この種類はほとんど飲めないのではないだろうか、とのこと。


12時近くになると、さすがにランチタイムのお客さんが、どやどやと入ってくる。
最初は小上がりや、ここからは遠いカウンターに収められていたお客さんも、
とうとう私の真隣まで座ってきた。

片や仕事中のランチ、そして自分は平日の昼真っから日本酒・・・。
「酒臭いかもしれなくてごめんなさい・・・」と思いつつ、笑みがこぼれてしまう。(確信犯)

それにしても、かす汁定食が良く出る出る。
やっぱり知る人ぞココにやってくるんだろうか、マスターもとっても忙しそう。
お酒を頼むのは少しの間休憩し、落ち着くのをまっていると・・・


すこーしお客さんが引いたところで、マスターが間髪いれず、「次のお酒は何にしましょう?」と。
既に徳利が空いていたのも気づいていたんだろうか。

そこで、先ほど冷蔵庫で確認してきた 鯉川 鉄人 うすにごり !!

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これを飲んだ酒屋さんは、こぞって 
「ガマンできずに、すぐ開けちゃった。」 とか
「一升瓶の肩に【飲み過ぎ注意】の短冊を貼ったほうが良いかも」 とか
「『とりあえずビール』って人は、少し冷やして『とりあえず鉄人』をおすすめします」とか
と言っていたお酒。

これこれ、これは飲んでみたかったのだー!!

口に含むと、シュワシュワっとした微炭酸が舌に心地よく当たって、とってもフレーーッシュな感じ。
香りが確かに花のような・・・。
でも、「ぷわ~ん」とくるのではなく、もっと控えめな、とっても飲みやすい香り。

こりゃ・・・タンブラーだったらガブガブいっちゃうというのも分かる。
でも自分の場合、ダンブラーじゃ絶対に物足りないような気が(汗)。


ちなみに、なんで 鉄人 っていうのかなー?!

と、ずっと不思議に思っていた自分。
でも、今更という感じがして、今まで聞くに聞けずいたのだけど、先輩に聞いてみると
「後のラベルを見れば分かります」と。

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なーんだ、そういうことだったのか!
鉄人というからには28号とかが一番頭に浮かんでいたけど、
深読みしすぎて、もっと違う意味が込められているのかと思っていた。

スッキリ。


そして、そろそろ最後のお酒の時間かな、という頃には 鷹勇 濁り酒 を。

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これも、〆にはぴったりな、ふわ~っと温かいお燗。
粒粒感もまだ残っていて、もろみを飲んでいるような感覚に陥る。

「鷹勇のかす汁定食」と共に頂く「鷹勇の濁り酒」、これもまた何てベストマッチな組み合わせ!

ふと気づくと、周りのお客さんは既にはけている。
時計を見ると14時、ランチタイム閉店の時間だ。

結局、最初に入り最後まで居座ってしまった。
外に出ると、まだ明るい街並みに 「あぁ、ホントに昼から飲んだんだなぁ」 と実感。

でも、マスター自慢の魚介類をつまみに頂きたいし、気兼ねなくまった~りと日本酒を堪能したいし、
今度来るときは夜にしよう!
と、心に決めたのであった。

昼酒は 「たま」 にやるから良いのだ。


[お店情報]
アクセス:地下鉄 阿倍野駅 7番出口(ベルタ連絡口)より徒歩2分
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋3丁目10番 B-0205 あべのベルタ 地下2階
TEL:06-6649-7309
営業時間:ランチ10:00~14:00 
         夜5:00~23:00
定休日:水曜日

[飲めるお酒]
お店のHPにもあるけど
上記の冷蔵庫内写真の様に
お燗にぴったりなお酒も沢山あります。