とうとう梅雨入り。この日も朝からジメジメジメジメ・・・。
さすがに、超ウルトラスーパー晴れ女も、梅雨前線には敵わない・・・。

やっぱり、まだこの時期は雨が降るとちょっと肌寒い。
なんとな~く温かいおでんが食べたくなった。

以前行った のブロックにあって
私の第六感が目を付けていたお店が確かおでん屋だったはず…。

上燗屋 富久

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とっても年代を感じる入口はスリガラスで中の様子は見えない。
脇には 日本城 と書かれた樽がある。
確か和歌山のお酒だったっけ。

誰に「いいよ」と教えてもらったわけでもなく、ネットで調べたわけでもない。
ハズれたら連れに悪いなと思いつつ、
スリガラスから漏れる淡くて赤い明かりと、第六感を信じて
「え~い!」と飛び込み営業の気持ちで店に入った。

入った途端 「やっぱり、これは良いお店だ!」 と思った。
中は10人掛けの小さなカウンターと、大きめのテーブル一つのこぢんまりしたお店。
棚やカウンターの木が、これまた古さを感じるが、意外にとっても清潔感がある。

14インチの古そうなテレビは巨人戦がやっている。
今日は巨人勝ってるんだ~、と思ったら楽天か・・・。(楽天がんばれ!!)
びりびりと電波が悪そうに横縞が入っているのが風情あっていい感じ。


迎えてくれたのは老(?)夫婦。
村山元総理バリのまゆげの親父さんと、いかにも親父さんを尻にひいてそうな恰幅の良いお母さん。
2人とも、物静かな感じ。

富久は常連客(しかも結構年配)が多いらしく、最初は私たちを見て「まぁ、珍しい」という顔をしていたが、
そんな事は気にしない気にしない。

だって湯気がもくもく立っているおでんが本当にウマそうで、目はもうソコに釘付け。
脇に立ててある、金属製の大きめの徳利も気になった。
上燗用の入れ物だろうか。

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壁にはおでんのメニューが書かれた木の札がぶら下がっている。たっくさん。

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カウンターには大皿料理も置かれている。
大根煮つけ、イカわた煮、そら豆、鮎天ぷら、菜っ葉のおひたし・・・
と、大皿料理のメニューとその他のお惣菜、刺身も各種書かれた紙が棚の扉に貼り付けてある。

さて、おでんの具といえば こんにゃく が好き。 糸こんにゃく も捨てがたい。
両方頼んでしまった。
関西風の薄味がしっかりしみ込んで、とってもおいしーーい!!

ちなみに、自分が小さい頃から家で食べていた ふくろ といえば、中身は野菜。
でも、一人暮らしをするようになってコンビニで「ふくろ」を買ったら、
モチが入っててびっくりしたのを覚えている。
世間一般ではモチ入りが「ふくろ」 なのだろうか? 仙台出身の連れも、モチ入りだ、と言う。
「じゃあ、野菜入りは何て言うんだろうね~」などと話しながら「ふくろ」を注文したら、
「野菜入りの方でいい?」 と、お母さん。
やっぱり!どちらも「ふくろ」なのだ、きっと。

日本酒は 日本城 のみ。

やっぱり燗酒だよなぁ、と思って注文。
すると、親父さんは 日本城 特別本醸造 のフタを、栓抜きでスポンと取った
やっぱり、握力の弱い人には、お酒の蓋を開けるのって大変だと思う。

と思っていたら、こんな記事 を見つけた。
密閉具合は良くないらしいけど・・・。こんな便利なものがあるんだなぁ。

さて、お酒を3,4人用の鍋くらい大きな片口(こんなに大きいの初めて見た!)に取った後、
やっぱり、あの金属性の大きな徳利に入れて、おでん横のお湯に入れた。
頃良く、カウンター越しから、ぐい飲みに入れてくれる。

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温まるなぁ。
特別本醸造の他にも純米酒があり、冷も常温も出してくれる。
おでんと日本酒、こんなにも相性が良いなんて、改めて感動。

「美味しい!美味しい!」を二人して連発していた私たちに
親父さんが、そっとお椀におでんの出汁をよそってくれた。
その直後に、おもむろに取り出したものを見た私が 「柚子胡椒だ!」 というと
「うちのは自家製なんだよ。こっち(柚子胡椒入りお椀)におでん浸して食べても美味しいよ。」
と、お椀にちょんちょんと入れてくれた。

子供のようにはしゃいで食べていた私達に特別に出してくれたのだろうか。
何だか、じーちゃんばーちゃんちの様な温かさを感じる。

自家製柚子胡椒は、薄味のこの出汁にとってもマッチしていて、かなり美味しい。
からしも美味しいけど、柚子胡椒もいいもんだ。

さて。しばらくの歓談後、ふと上を見上げた連れが 「ねぇねぇ見て見て! 大きいマリモ があるよ!」
「は?マリモ?」とつられて上を見ると、酒林ではないか。

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まぁ確かに知らない人は見ても分からないかもしれないが、それにしたって大きいマリモって(笑)。
今まで無表情だったお母さんも、「ぷっ」 ってふき出しちゃってるよ・・・。

酒林には 酒の神様 三輪神社 と書かれた札がぶら下がっている。

酒の神様といえば三輪神社 という事を初めて知った。しかも 酒林の発祥の地 だとか。
友人のマリモ発言で打ち解けたのか、お母さんがいろいろ教えてくれた。
本当にお勉強になりました。

そして、しばらく時間が経つと、「ごーん ごーん・・・」と音が。
後を見ると、これがまた年代を感じる古時計。

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ちゃんと正確に時を刻んでいるのをみると、親父さんかお母さんが、きちんと手入れをしているのだろう。
テレビから聞こえる野球解説の声と古時計の音が、何ともいえないマッチしたBGM。

この時計は時間を知らせる時計ではない、むしろ時間を気にせず居られる、と思わせられる。
本当にゆったり時が流れる空間だなぁ。

お酒は飲まない連れも、とっても気に入った様子。
なんとなく田舎の懐かしさにじ~んと来る、良いお店を見つけた。

大勢では行って欲しくないお店。
本当に本当に、また行きたい。

[お店情報]
最寄り駅:新宿三丁目から徒歩3分/新宿から徒歩10分ほど
住所: 新宿区新宿3-12-4-107
電話:03-3350-6729
営業時間:17:00-22:00
定休日:日曜日

[飲めるお酒]
日本酒は日本城のみ。
その他、モルツ生ビールや酎ハイ、焼酎などなど。
親父さんはサントリー認定の「樽生達人」。ホントにビールが泡まで美味しかった。
ジョッキと小グラス(といってもタンブラーサイズ)の2種類あるのが嬉しい。