上北沢に初めて降り立ったのは、2004年2月17日。

東京での就職が決まり、一人暮らしの部屋探しで上京した時のこと。

就職活動の時に「もう乗るまい!」と思った夜行バスに揺られて12時間。

東京駅から高田馬場の不動産屋へ。

桜上水と下高井戸(現住所)の2軒を紹介されて着いた駅が、上北沢だったのね。

第一印象は・・・よく覚えていないわ。

なんとなく線路上の赤か紫の看板が目に付いたことは覚えてるけど。

不動産屋に紹介された部屋を一目で気に入り、すぐに契約するため急いでいたことも覚えているのだけど・・・。

上北沢には特に何の印象も残らなかった。

あれから・・・2年と8ヶ月

まさか自分が上北沢についてのコラムを書くなんて・・・この時は全く想像してなかったわね。

当たり前だけど。


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久しぶりの上北沢駅。


元気だったかしらね?

今年に入っておたつの最寄り駅は桜上水駅に移動したから。

1年目~2年目までは毎日上北沢駅から出勤してたのにね。

ごめんなさいね~。

やっぱり各駅停車のみは辛いのよ。

近くに駐輪場もないし。

朝、結構電車待たなきゃならないし。

帰りに明大前駅で待つ時間も長いしね。


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エレベーターができるの!?


必要なのかしらね?

この駅に。

たぶん利用することはないと思うけど。

あと、最近妙に駅周辺が小奇麗になってきてるのよね。

駅名の入った看板が新調されたりとか。

周りが高級住宅街だから?


さて、今日は久しぶりの上北沢散策

秋の昼下がり。

天気もいいわね~。

最近はゆっくり街を歩くことも無くなったわ。

以前はネタ探しでウロウロしてたけど。

いつの間にか街中で写真撮りまくることに抵抗を感じなくなった自分がいて、人間は慣れると図太くなるということがよく分かった。

上北沢ではたくさんのお店を取材したけど、その中でも一番多く取材したのは・・・あのお店ね。

まずは「営業再開!」となったあのお店に行ってみましょうか。


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中華そば「フーフー」


大将が亡くなって約3ヶ月。

娘さん達が営業を再開したと聞いて、行ってみることにしたのだけど・・・。


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あら~。


残念ながら、営業は平日の11時~午後2時くらいまで(祝祭日営業)。

土日はお休みですって。

ま、そりゃ大変よね~。

家のこともいろいろあるだろうし。

元々、娘さん達はお昼だけお店に出てたんだし。

でも、お昼の営業だけでも復活したのは嬉しいことよね。

ファンが多いお店だから。

『開業27年』ですって!

四半世紀続いているなんて・・・改めてスゴイと思うわ。

これまで何人の舌とお腹を満足させてきたのでしょう・・・。

きっと、娘さん達、大将の味を受け継いでくれると思うわ。

おたつもお休みの時に行ってみよ。


あれ?


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古本の「愛仙堂」


片付けたの?

何か今までになく店頭がキレイになってるんだけど。

いつも通るたびに「汚いわね~。」って思ってたけど、とうとうおじさんに整理整頓の神が降りたのかしら。

おじさん久々に見かけたけど・・・。

特に変わってなかったわね。

というか、今まで何回もそのお姿を見てるのだけど、上下のジャージ姿しか見たことないわ。

他に服持ってないの?

別に心配してるわけじゃ~ないんだけど。

しかもおじさん、どうにも本が売れてるようには見えないんだけど、大丈夫?

まあ、これからも営業頑張ってね。

陰ながら、本当に陰ながら応援しているから。


上北沢メインストリートも日々微妙に変化しているわね。

以前「激安ショップ」だったところに、「ローソン100」というお店が登場。


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コンビニ・・・ではないのね?


「激安ショップ」の99円から、「ローソン100」の100円へ移行。

お客にとっては・・・嬉しいか?

高くなってるんですけど。

品揃えもそんなに変わった気がしないし。

「SHOP99」なんてお店も結構出てるし、ライバルが多いわね~この業界は。

上北沢でお客の取り合いしても厳しいわよ。

し・か・も!


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実際は105円なのね。


消費税込みで100円ってのは、やっぱりお店にとっては厳しいわけよ。

店内のアイスクリームを入れてる冷蔵庫の上に「パイの実」が山積みになってたけど、「パイの実」を20個買ったら2,000円+消費税100円=合計2,100円。

2,000円しか財布になかったら、買えるのは19個までよ。

19個ならね、1,900円+消費税95円=1,995円。

5円お釣りがくるから。

安心して買い物してみて。


さて、甲州街道の上北沢付近て、前から思ってたけど特に何にもなくてつまんないのよね。

パチンコ屋と自転車屋と自動車屋・・・にガソリンスタンド「ESSO」


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一生利用しないと思われる。


おたつは車の免許持ってないし、全く車に興味が無いから全然用が無い。

隣のパチンコ屋も興味無くてそのお隣のラーメンショップも汚いから行かないし、この通りには縁が無いのよね~。

あ、但しバイトのお兄さんやおじさんには興味あるわよ。

結構かっこいい人も見かけるし。

タイプの人には会ったことないけど。


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「楽しく、かっこよく」働くのね。


「楽しく」ってのは分かるわ。

けどね、「かっこよく」ってのは難しいわよ。

大変申し訳ないのだけど、元々の『素材』の良さってのがどうしてもあるし。

確かに、制服を着て働いてる姿は一見するとかっこよく見えないこともない。

しかーし!

やはり、よくよく見るとかっこよくない人はかっこよくないのよ。

何でかしらね?

CMに出てるお兄ちゃんはかっこいいんだけどね。


「Ciao」では何度も観葉植物や花を買ったわ。

今はコスモスの季節。

店頭では満開のコスモスが揺れていてとてもキレイ。


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秋よね・・・。


最近は一人感傷に浸る暇も無いわ。

もう少し精神的に余裕を持って生活したいわね。

おたつの部屋には未だに昨年の6月に購入した「ザミア」くんが頑張ってるけど、もうそろそろ力尽きそうだから、そろそろ新しいの買うわね。

「Ciao」で買うかどうかは分からないけど。


あらら?


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何で?


ここはまだ借り手が見つかってないの?

「ことこと」が新宿五丁目に移動してもう8ヶ月。

けれど、「ことこと」の看板だけは未だに健在。

1階には何やら雑貨屋さんが出来てるみたいだけど。

まあ・・・上北沢では難しいのかしらね。

美味しい洋食を食べさせてくれるお店は上北沢周辺にはなかなかなくて。

寂しい限り。

新宿三丁目にも最近めっきり行かなくなったし。

もちろん二丁目にもね。

全然遊んでないわ・・・。

いいのよ。

今は仕事に生きる時なのよ。

人生は長いのだから。

男がいなくても、仕事人間になっても、今は構わないわ。

きっといつか・・・旦那を見つけるからっ!

1年後も2年後も同じこと言ってないことを・・・祈ってるけど。


コラム最終回にあたって、何か遣り残したことはないかな・・・?

と考えてたら、1つ!

大事な用事を思い出しました!

そう、

それは・・・。

『ドリームスタンプシールの商品引き換え!!』

いつもコメントをくれるきーさんから台紙を引き継いで約7ヶ月。

ひたすら川越屋さんで和菓子を買い、地道に溜める日々。

やっと・・・あの台紙がシールで満杯になったのね!

350枚集めたシールで、たった500円の商品券にしかならないのだけど、とりあえず溜めたことに大きな意味があると思われる「ドリームスタンプシール」。

上北沢に住んでいる若者はおそらく見向きもしないだろうシールだけど、おたつは溜めた!

やり切った!

引き継いじゃった以上、やるしかなかった!

で、何と引き換えようかな・・・と思っていたところ、川越屋さんでまた和菓子を買うのは芸が無いな~と思い選んだお店は・・・、


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お久しぶりの「やまべ書店」


店主のやまべさんとお会いするのは夏祭りの「かみきたホイ」以来。

・・・。

そんなに久しぶりでは無かった。

「やまべ書店」で引き換えを行う・・・と決めた時点で、何を買うかは必然的に決まる。


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これがその証拠。


広げてみると結構スゴイ・・・。

よくもまあ溜めたわね、和菓子一本で。

自画自賛するような内容ではないけれど、妙に達成感は大きかったのよね。

・・・。

きーさん、

あなたに一言断らなければなりません。

かつて、上北沢において、住民が「ドリームスタンプシール」で引き換えた商品は多数あったでしょう。

食料品や衣類等々、家庭の財布を預かる主婦にとっては嬉しい割引券です。

しかし、

きっと、

今からお見せする商品を引き換えた人間は、

過去において、

いや、未来においても、

おたつ1人だと思います。

ちょうど、今月号が発売されたばかりだったんです。

許してください。

それは・・・


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コレです。


「Badi 12月号」1,500円

おたつが毎月買っているゲイ雑誌です。

そう、「やまべ書店」は東京の田舎街「上北沢」周辺に住むオカマのために「ゲイ雑誌」を用意してくれている素晴らしい書店なのです!

で、値段の切りもいいから買っちゃいました。


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はい、1,500円ね。


過去、ゲイ雑誌の新刊を1,000円で買ったことはありません。

おたつの人生にとっても、

そして、おそらく「やまべ書店」にとっても初めての経験だったに違いありません。

さらに、

その模様を写真に収めるという行為をしたのも、

きっと過去においても、未来においても、おたつ1人でしょう・・・。

・・・。

何の自慢にもなりませんが。

でも、これで無事に「ドリームスタンプシール」はその役目を終えました。

きーさん、「ドリームスタンプシール」はちゃんと商品券として機能することが判明しましたよ!

よかったですね。

まさかゲイ雑誌にその姿を変えるとは・・・予想してました?

だとしたら・・・かなり鋭い。

・・・。

たぶんないな。


さて、2年間に渡りご愛読頂いた上北沢コラムですが、そろそろ終了の時間が近付いてきました。


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この出口を何度通ったか。


別に引っ越す訳ではないんですけど。

そして、ちなみに、今更ながら、

おたつの住所は下高井戸です。

最寄り駅が上北沢だったから、上北沢コラムの担当となりました。

今の最寄り駅はお隣の桜上水です。

・・・。

だからなんだと言われても困りますので突っ込まないでください。

改めてコラムを読み返してみると、

上京から2年半、

おたつの東京生活は上北沢コラムとともにあったことを深く実感します。

初めての就職、初めての東京、初めての一人暮らし。

不安がいっぱいの毎日の中で、「上北沢コラムを書く」ということが、どれだけ大きな心の支えになっていたことでしょう。

初めての街で、多くの人たち(特に商店街の皆様)に支えられなかったら、松山に帰っていたかもしれません。

「一人暮らしは辛い・・・。」とか、「寂しい・・・。」とか、「孤独で悲しい・・・。」なんてことを感じる暇は全く無く、とても楽しい毎日を送ることができました。

・・・。

ちなみに、まだ引っ越さないんですけどね。

今の部屋は東向きで日当たりも良く、正面にマンションができたから入ってくる風の強さもちょうど良くなったし、ロフト付きだから広いし。

結構気に入ってるのでまだ当分住みます。


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まだ1回も行ってな~い。


「フラクタル」のように、まだ上北沢には紹介していないお店がたくさんあります。

東京・世田谷区の小さな、とってもマイナーな街ですが、日々進化しています。

その様子をこっそりと観察した生活も、もう終わり。

ちょっとだけ寂しい気もしますが、おたつは仕事に生きることを決めました。

上京から2年半経って、自分の人生をかけて打ち込める仕事を見つけました。

「上北沢コラム」から「適職」へ

「天職」になったらいいな~なんて思っています。

無理はしないで、楽しく。


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懐かしく思える風景。


毎朝、上北沢駅から電車に乗って、サミットを眺めながら出勤してた日々。

今はもう過去の話となりました。

・・・。

いや、

とりあえず、

まだ住み続けるんですけどね、

これからは一住民として気楽に上北沢を楽しめたらと思っています。

『上北沢』は、おたつにとっての『東京のふるさと』。

これからも愛し続ける街です。

今までお付き合い頂いた皆様、誠にありがとうございました。

深く感謝しております。

きっと、

いつの日か、

「上北沢コラムを書きたい!」

なんていう奇特な人が現れるかもしれません。

その日までお休みです。

では、さようなら。