ずっと楽しみにしてた「フーフーラーメン」。
上北沢のラーメン屋さん(1)に寄せられたコメントを見て、早く食べたい!と思っていた。
場所は前々から知っていたけど、食べようと思った時はいつもお休み。

平日も土曜も21時までの営業。
帰宅時間がいつも21時を過ぎる僕とは相性が良くなかったみたいだ。

チャンスは土曜のみ。
こないだ、20時過ぎにこそっと行ってみた。
お店は線路沿い。
オオタドラッグのすぐ近く。
踏み切りを渡ってすぐ左に20m。


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提灯のお出迎え。


提灯の灯りが眩しい。
上北沢の街は、夜20時も過ぎたら駅前は静かなもの。
特に土曜は。

ご近所の明大前や千歳烏山とは違う。
普通に暗いもの。
だから駅前まで行ったらすぐに見つかる。


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お店正面。            チャームポイント。


看板が大きくて非常に目立つ。
線路沿いだから、京王線に乗っている人は必ず目に付いているはず。
思わず見つめてしまう看板だ。

個人のラーメン屋さんで、こんなに目立つ看板を背負ってるお店を他には知らない。
「中華そばフーフー」の上に、「フーフー」の看板が設置されている。
夜も目立つようにちゃんとライトまで付いている。

・・・看板チェックはこれ位でいい。
とりあえず中に入ろう。


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閉店時間前の店内。


たまたまお客さんは僕一人だった。
遠くに座るのもなんなので、店主さんから近いカウンターに着席。
目の前に写真付きのメニューが張ってある。


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フーフーベスト8。


フーフーで良く出るメニューの「ベスト8」が写真つきで載っている。

中華そば(しょうゆ・しお)、ジャンジャン麺(普通・2倍・3倍・天国)、ネギラーメン、ネギ餃子、よくばりセット(ラーメン・ライス・餃子5個付き)、腹ぺこセット(チャーハン・半ラーメン)、ニラ玉丼セット、ネギ丼セット・・・・・といろいろあるけれど、

今回の目的は「ジャンジャン麺」。
迷うことなく注文。


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これがジャンジャン麺。


辛そう・・・。

早速写真に収めようとしたら、店主さんが話しかけてくれた。
「上から撮った方がいいよ。今流行りだよね、上から撮るの。」

!!

何と優しい方。
これは!と思い、コラムの取材で来店したことを話すと、「初めて来てジャンジャン麺を注文する人は、大体どっかのホームページを見て来た人なんだよ。すぐに分かる。普通は中華そばだからね。」

確かに。
お店の名前は「中華そばフーフー」。
そりゃ、王道の中華そばから行くわな。

何枚も撮りながら話していると、
「早く食べてね、ウチのは固めの麺が命だから!」と店主さん。
我に返って、食事モードに突入。

さて、このジャンジャン麺。
辛さは、普通、2倍(+100円)、3倍(+200円)、天国(+300円)の4段階。逆に辛さ控えめでもオッケー。
とりあえず初めてなので「普通」を食べてみた。
スープは辛いけど、確かにコクがありまろやか。あとを引くので、どんどん口に入る。コメントの通りだ。やみつきになりそう。
僕は普通の辛さで十分だった。
食べてるうちに汗がダラダラ・・・・・止まらない。
ハンカチで必死に拭いてると、店主さんが後ろに置いてあるティッシュを紹介してくれた。
用意のいいお店。

普通の辛さでこれじゃ、「天国」の辛さは一体どんな感じ?
僕は無理だけど、天国を頼む女性がたくさんいるというのだからスゴイ!

麺は細麺。結構ボリュームがあって食べられるかな?と思ったが、どんどん口に入ってしまった。
普通のラーメン屋より2割増しの量。それでも美味しいから皆平らげてしまうとか。

・・・納得。

麺は、一切添加物が入っていない天然のにがりから作った「かん水」を少しだけ入れて作っているため、色はインスタントみたいに黄色くないのだ。よく使われている縦に長いザルは湯通しが悪いため、ここでは使っていない。平べったい昔ながらのザルを使って麺を茹でている。

とにかく!上がったら熱いうちにさっさと食べるのがポイント。


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笑顔の店主さん。


さてさて、初めてのお客にここまで話してくれる店主さん。
現在54歳、恰幅が良く、普段は無口だけど、実は話好き。 
お店を始めて25年目。以前は日曜も営業してたが、忙しくて体が持たないということで現在は休業。
土曜のお昼は家族連れでいっぱいになるとか。平日はサラリーマンや学生さんでいっぱい。

で、驚いたことが一つ。
トーキョーワッショイのことをご存知だった。
そこで見たコメントの名前を見てビックリ!
「島貫裕司」は店主さんの本名。どうやら、常連さんがわざと店主さんの名前でコメントを出したようだ。店主さんは、誰が書いたか大体見当がついているらしい。

このお店のことは結構いろんなとこで書かれている
こないだもどっかの媒体に写真と記事が出たらしい。
知らない間に撮られたとか。
店主さん曰く、「別にいいよ。写真撮っても、書いてもらっても。」

で~んと構えてますな。
体格同様。


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スプーンに染み出ている。


さらに話は続き、「自家製のラー油」のことまで詳しく教えてくれた。
わざわざ周りをキレイに拭いて写真の準備。写真写りは少しでも良い方がいいのだ。

ゴマ油に唐辛子を入れて漬けておくと、徐々に油が染み出してくるので、それを少しずつビンに溜めていく。数ヶ月間つけている間に、ビン1本分位になる。その油を、自家製ラー油として使っているとか。
辛いけど、まろやかな味。その源。

こんなに書いちゃっていいのか!?

いや、ここまで話してくれるのは、自信があるからこそ。
もし同じような味を真似たとしても、それだけじゃお客さんは来ないのだ。
人柄と味。
両方揃ってないとダメ。
店主さんと、店主さんの作るラーメンに惚れたお客さんが離れることは、今後まず無いと思った。


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太陽は東から昇る。


ふと後ろを見ると、何やら卵の黄身のような絵が描いてある。
目玉焼きのような・・・。
店内に入ったら自然に目に入る。
一体何?・・・・・と聞く前に、店主さんが教えてくれた。
このお店は入り口が北向き。さらに東には窓がないため、店主さんが太陽を壁に書いたらしい。
東の壁に、オレンジの太陽。

言われるまで分からなかった。
普通に目玉焼きと思った。
奥さんも「目玉焼きみたいよねぇ。」と言っていた。
というか、常連さんでも未だに目玉焼きだと思っている人は大勢いると思う。


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クレセントクッキー。


面白いことに、このお店には娘さんが焼いたクッキーが一袋100円で売られている。
クレセントクッキー、チョコブラウニー、くるみとバターのクッキー、レモンバタークッキーとか。
上北沢桜祭りの時に売りに出したら、飛ぶように売れたのだとか。
趣味で作っているのだが、お昼からお店に出すと、どんどん売れていくらしい。

1枚ごちそうになった。
マジで美味しかった。
100円出す価値大いにアリだ。

ラーメンとクッキー。
違和感大いにあるが美味しいからオッケー。

お昼は娘さんがお店を仕切っている。
調理師免許証が額に飾ってあった。
若い娘さんなので、最初はお客さんの中にちょっとなめてかかる人もいたが、実際の腕(フライパンを扱うところ)を見たら皆黙って見ていたとか。
店主さん曰く、なかなかの腕らしい。
今度は土曜のお昼に行ってみよう。


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キティーホーク(下の小さい写真)  お祭り


店主さんは、プロの写真家さんでもある。
「PHOTOGRAPHER島貫裕司」の名刺も頂いた。
いろんなとこで頼まれて「仕事」として写真を撮っている。
プライベートで撮る事はほぼ無いとか。
キティーホークの写真(本当は撮ったらダメだけど撮っちゃった)や、祭りの写真が飾ってある。

さらに、店主さんは商店街の監査役でもある。
上北沢商店街の今後を憂えていた・・・。
上北沢の商店街は、このままだとハッキリ言って廃れてしまう。新しいお店と古いお店が共存しているが、古いお店は昔のままで変わらないため、人の集まりが非常に悪い。
もっと盛り上がったらいいのに・・・。
良いお店はいくつもあるのに勿体無い、と。

確かに、そういう部分はある。新しいお店と古いお店の落差が激しいため、商店街に妙なコントラストが出来上がっているのだ。
見てる分には面白いけど。
サイトや雑誌で紹介されているお店は少ないし・・・。
やっぱり寂しい。


お店を出たのは21時をとうに回っていた。
店主さんには遅くまでいろんなお話を伺った。
一度では書ききれない程の。

普段は無口って感じじゃなかったな~。

25年近くお店をやっている方だから、上北沢の飲食店に関しては非常に詳しい。
新しいお店がオープンした時は必ず訪れるとか。
僕が知らない穴場のお店を何店か教えてもらった(!)。
美味しい炭火焼コーヒーを出す喫茶店、おそば屋さんや洋食屋さんなどなど。
プロの舌が認めた「美味しいお店」を紹介して貰えるのが楽しみだ。

今回は、美味しいラーメンだけじゃなく、人とのつながりも得ることができた。
上京して8ヶ月目。
孤独で人付き合いの苦手な28歳にとっては嬉しいこと。
コラムの取材を通して、上北沢の街に溶け込み始めている・・・・・というか、上北沢の街に足片方突っ込んだ感じがした。

もう少ししたら、両方とも浸かってみよう。