今日私がうちに帰ってくると家の前に仰向けになっているコガネムシがいた。

この季節は虫がたくさんいるので当然仰向けで苦しんでいる虫を見かける回数がとても多い。

基本的に仰向けになっている昆虫は助けてあげることにしている。

仰向けになってしまったばっかりにこのまま死んでしまうなんて
なんだかもったいないような気がしてならないからだ。

大きさと命の重さは比例しないが今日のコガネムシは5cmほどであったので
なんとなく結構な人助けをしたような、そんなちょっと嬉しい気持ちになっていた。


荷物を置いて買い物から帰ると、家の前に猫がいた。

人目をはばからず緊張したオモモチだったのでしばらく観察していた。

次の瞬間、猫は昆虫を鮮やかに捕まえて食べてしまった。

まるで獲物を狙うライオンのようだった。


羽音が大きくて、なんとなくさっきうつぶせに返したコガネムシのことを思い出す。

アイツではないかもしれないが、もしかしたらアイツかもしれない。


猫はフェンスを越えた向こうでパリパリと音をたてている。

そこに、1ではない複数のか細い鳴き声。

思わず覗き込む私にさっきの猫が母親の顔で威嚇をする。

ビー玉みたいなギラギラした眼がまっすぐに私を見ていた。


まさかこんな形で一生が終わることになるなんて、

と考えはじめると改めて人生というモノの可能性が広がったような、狭まったような。

不思議なはかなさが漂う、そんな夜になりました。