その知らせは、あまりに突然にもたらされた。
 西荻の玉の湯、廃業?
 
西荻窪駅の北口、古書店や喫茶店に挟まれた小路を抜けていくと、
数分もしないうちに玉の湯が現れる。
風情溢れる竹垣に大きな唐破風、高い格天井に富士山、はては七福神の宝船。
古きよき東京銭湯の姿を残しながらも近代的な浴室との見事な調和、
週末には両手でも数えきらないお客さんが開店を待ちわびる、
杉並区でも有数の人気店だ。
 
地元住民をして言わしめた"西荻・裏のランドマーク"。
お年寄りからサブカル浸りの若者まで、玉の湯は幅広い客層に愛される存在だった。
しかし5月上旬よりしばらくの休業の後、突然の廃業。
事前の告知らしい告知はなされなかったようで、
閉店を告げる看板に道行く人々は目を丸くして、みな驚きを隠せない。 
 
またしても、東京から名銭湯が姿を消す。
常連さんも気の毒だが、こと玉の湯で気がかりなのは庭池の大きな錦鯉。
ここには齢40年を超すという、まるで主のような白銀の鯉がいたはずだ。
玉の湯なき後、その歴史を見届けてきた彼らはいったいどこへ行くのだろう。
 
 
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○ 玉の湯
 
住所 東京都杉並区西荻北3-32-3
 
※ 2009年5月31日をもって廃業