第二宝湯を知ったのは、この前の夏の最後の朝である。
ワッショイのライター仲間と、板橋区は大谷口の朝市へ向かった早朝。
東上線の中板橋駅から出発したものの、気づけば駅の反対側。
大谷口とは全く逆の方向へ進んでしまったところで、たまたま目にした煙突がそれだった。
思わぬ出会いに、風情溢れる佇まい。
 近いうちに、必ず来るんだ?
お喋りに勤しむ彼女らの隣で、ひとり心に決めたのを覚えている。
 
 
実際に訪れることができたのは、ふた月あまりが経過した10月の終わりの夜である。
路地を曲がって第二宝湯の明かりが見えると、
花束を抱えた小さな女の子が母親に付き添われ、暖簾を潜る姿があった。
続いて暖簾を潜ると、親子はしばらく番台のお婆さんと話しこんでいた。
何を話しているのかはよく分からなかったが、
 今まで、本当にお疲れ様でした?
その一言だけは、ついたてを隔てたこちら側へもはっきりと届いた。
 
 
murakumo_itabashi_dai2takarayu_01.jpg
 
murakumo_itabashi_dai2takarayu_02.jpg
 
murakumo_itabashi_dai2takarayu_03.jpg
 
murakumo_itabashi_dai2takarayu_04.jpg
 
 
 
○ 第二宝湯
 
住所 東京都板橋区仲町33-7

※ 2008年10月30日をもって廃業