思いがけないところで、去年の夏の記憶に出会った。
 
 
新宿御苑もほど近い千駄ヶ谷の鶴の湯で、開け放たれた縁側に出て、
湯上りのコーヒー牛乳をぐいといった時だった。
腰に手を当て天を仰ぎ、最後の1滴を飲み干した刹那、それと目があった。
張り出した庇の根元にしっかりとしがみつく、アブラゼミの抜け殻だ。
 
 
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暑くなってきたとはいえ、まだ5月。
蝉の成虫が羽化するには、まだ2か月ほど待たなければならない。
つまりこれは、去年のもの。
雨の日も、風の日も。そして、寒さ凍える雪の日も?
 
千駄ヶ谷の、お風呂屋さんの片隅で。
移りゆく季節と裸の人間ドラマを、静かに見守り続けてきたのだ。 
 
 
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○ 鶴の湯
  
住所 東京都渋谷区千駄ケ谷4?16?4
電話 03-3402-5808
営業 15:30~23:30
定休日 月曜