銀座線の終点、浅草へ。
 
 
休日だけあって、すごい人で賑わう浅草寺。
今年の運勢をとおみくじを引くが、結果はなんと凶。
さすがは凶の多さ日本一というだけのことはある。
丁寧に左手で結び付け、お約束の線香を爐に入れて煙を浴びる。
 
 
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3月も中旬、日中は上着も脱ぎ捨てたいほどのぽかぽか陽気。
外国人の観光客なんか、Tシャツ姿もちらほらと。
汗ばんできたところで、ちょいとさっぱりしていくか。
向かった先は、ほどなく近い蛇骨湯(じゃこつゆ)。
 
  
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浴室に踏み入れば、その光景の変貌振りに驚かされるはず。
緩やかな曲線を描いた天井はひびの入ったコンクリートが剥き出しで、
まるで洞穴の中に迷い込んだよう。
浴槽から噴き出す水流は大蛇の寝息のように響き渡り、
釣り下がる明かりは満月のように、あたりを照らし出す。

エメラルド色の湖のタイル絵は、まさに幽玄境。
質素な表の入り口からは想像もつかない異空間が、そこには広がっている。
細い路地の角にあるため、おそらく浅草帰りの観光客がふらり訪れることは無いだろう。
  
 
13時の開店と同時に、お客さんが続々とやってくる。
目的は、直に掘り出す天然温泉だ。
横に大きな浴槽は琥珀色のお湯を並々と湛え、痺れる熱さ。
外には滝打つ庭園を眺めながらの露天風呂と、なんとも気色の良い汗を流すことができる。
 
 
さて、縁起物にちなんだ名の多い銭湯にしては少々禍々しくもある"蛇骨"の銘。
だがそれは、江戸時代に存在した大蛇の如き"蛇骨長屋"に由来し、
江戸の創業以来、脈々と受け継がれてきた歴史の証だ。

かつては吉原遊郭から夢うつつで朝帰りの旦那衆に、
「朝湯なら八丁堀の斉藤湯か、浅草の蛇骨湯」として聞こえたこの銭湯。
今月を以って改装のため休業となるが、必ずや新しい姿を見せてくれるはずである。
 
 
名銭湯ですら次々に消え行く、安泰など存在しないこの時代。
しかし一方で、したたかに受け継がれていくものもあるのだ? 
セピア色の額縁の瞳は力強く、我々に語りかけているかのようだ。
 
 
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○ 蛇骨湯

住所 東京都台東区浅草1?11?11
電話 03-3841-8645
営業 13:00~24:00
定休日 火曜

※ 2008年4月1日より、改装のため休業