絵師が不在だった今年、ワッショイ・ブースの看板やメニューは、ほぼ、「文字オンリーで乗り切る!」という状態になりました。

 まずペンをとったのは、すずらんまつりとワッショイのキューピッドともいえる彼女。生ビールやフランクフルトのメニューを書き始めました。

 絵がお上手だとは知っていたけど、白抜き文字を、さささーっと下書きなしで書きあげたことに、びっくり。

 ワッショイおじさんや、某お菓子のキャラクターを、ちゃちゃちゃっと模写してしまったことにも、びっくり。

 なめらかなペンさばきを見せる彼女の横で、いまだ真っ白だったのが、「ワッショイ酒場」の看板になるはずのボード。

 そのボードに、頑なに関わろうとしなかったこの人あたしを見かねたのか、「なんで、みんな、字を書くのがそんなに嫌なんや~?」と言いながらペンに手を伸ばしたのが、この人

 真っ白けっけの看板用ボードに、まるでなんにも考えてないような勢いで、「ワッショイ酒場」とでっかい白抜き文字を書き始めたのだけど、......これが巧い! ついでに速い!!

 それらを見ていたあたしの頭の中で、遠い記憶の抽斗(ひきだし)が、ひとつ、あきました。

 中学2年生のとき、数学の先生が言ったんです。

「フリーハンドでまっすぐな線を引けない人は、一生、字が下手なんだよ」

 その先生は、数学の授業だというのに、「おまえら、定規を使わないで線を描いてみろ! 字が巧いかどうか、俺が見てやるから!!」と、生徒たちを次々と黒板へ呼びました。

 あたしがチョークで引いた線は、ぐだぐだ。みみずが這った跡みたい。

 その先生の持論を鵜呑みするのは癪だけど、あたしは確かに、字を書くのも下手。直筆恐怖症でキーボード万歳、って意識も強いです。

「この人たちに、フリーハンドでまっすぐな線を引かせても、きっと、巧いんだろうなぁ......」と、ぶっつけ本番で見事なペン使いを披露してくれた彼女に、惚れぼれとしてしまったのでした。

 ふたりが見事に書きあげたメニューと看板、画像でお見せしたいところなんですが、写真嫌いのあたし、すずらんまつりでも撮影ってことを一切しなかったので、残念ながら、証拠をくっつけることができません。

 でも、ワッショイのすずらんまつりリポートをくまなく見れば、どこかに絶対、映っていると思います。探してみてね。